八竜のゴッドセレナ
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剣が一斉に飛びかかる。広範囲攻撃とあって天海も避けられないと判断したのか、その場から動かない。
スウッ
と思っていた。しかし、彼はわずかに体をズラしただけですべての攻撃を回避できることを一瞬で見切っていたからその場から大きく動かず、最小限の動きで済ませたのだ。
「なんだこいつ・・・」
「今までの敵とは格が違う」
誰の攻撃も通じず、当たることもない。それなのに彼の攻撃を受ければ一溜まりもないとなれば、恐怖で体が萎縮してしまうのも無理はない。
「だが、こいつからは魔力を感じない。大したことはないと思うんだが・・・」
「あぁ。他の奴等の方が遥かに魔力を感じるぞ」
リオンとグレイがそう言うと、天海は苦笑した。彼は憐れみの視線を二人へとくれてやる。
「魔力を感じない?それはそうだ。俺は体内に魔力を持っていないのだから」
「「「「「!?」」」」」
その台詞に全員の思考が停止した。超魔導軍事帝国の幹部である男が体内に魔力を持っていない・・・その大きな矛盾に彼らは目を見開く。
「やっぱり・・・昨日のあの言葉の意味はそういうことか」
レオンは昨日の彼とのやり取りを思い出していた。魔法を一切使わない天海。それに対し使わせてみろと彼は言った。あの時は純粋に力の差があるからかと思っていたが実は違う。彼は魔法を使えないから、そんな無理難題をあえて唱えることができたのだ。
「でも、魔力を一切持っていないってことはないんじゃないですか?」
「うん。一般の人でも多少はあるって話だし」
この世界において魔法を使う職業である魔導士は人口の1割程度に過ぎない。しかし、それは魔力を持っているものが少ないからではなく、そこまで成長しようとするものが少ないからだ。ゆえに、魔導士でなくても多少は体内にある魔力を感知することもできるのだが、天海からはその微量の魔力すら感じない。それにサクラとラウルが首を傾げていると、彼はそれにあっさりと答える。
「このアースランドとやらではそうらしいな。だが、俺がいた世界では、体内に魔力を持っている者など一人もいない」
「アースランド?」
「俺がいた世界・・・」
「まさか・・・」
聞き覚えのある単語に妖精の尻尾の魔導士たちはある世界の住民のことを思い出す。
「俺はこのアースランドの平行世界、エドラスからやって来た」
8年前、魔力が枯渇してきたことでマグノリアを魔水晶にして魔力を得ようとした世界、それがエドラス。その世界では体内に魔力を持っている者はエクシードたちしかおらず、人間たちは魔力を宿した武器や物を使って生活しており、その武器を扱う者を魔導士と総評していた。
「なぜエドラスの人間がこんなところに」
「何のためにこの
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