暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第九十七話 クラーマー逃亡
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

謀略だと本当に筆がすすみますよ。
********************************************
第九十七話 クラーマー逃亡

帝国暦481年2月1日

 この日、雪のオーデインを一隻の輸送艦が飛び立った。
中には、昨年の憲兵隊粛正で逮捕されたクラーマー一族が収監されていた。
彼等は4ヶ月に及ぶ取り調べの結果、多数の不正などの悪行が次々と露見したうえで、
勅命無視の不忠によりクラーマー元憲兵副総監は処刑され、一族は流刑と言う事になったのである。

本来処刑はオーディンで行う予定であったが、皇帝陛下がクラーマーのような不忠者の血でオーディンが汚れるのを嫌った為に流刑星で処刑を行う事に成った為に、この日一族諸共輸送艦で護送されたのである。オーディン出発時は単艦行動ではなく巡航艦の護衛がついていた。

 流刑場所はエックハルト星系隣接のツェーレンドルフ星系にある流刑星である。
クラーマー一族は絶望に打ちひしがれていた。
流刑星までは凡そ15日間の旅であるが、嬉しくない旅であろう。

流刑星への護送指揮官は艦齢30年の旧型軽巡航艦エムデン艦長ラーケン中佐であり、輸送艦はアルトマルクで艦長リンツ少佐であった。オーディンを出航直後は順風に目的地へと向かったが、次第にエムデンに時折起こる少トラブルを騙し騙し航行していた。

2月13日アイゼンフート星系を航行中、軽巡航艦エムデンにエンジントラブルが発生し星系のドックへ緊急入港が行われる事に成った。しかし16日に流刑星へ到着し翌日公開処刑が行われる為に此処で時間を潰すこと下出来ない為に最早安全圏であるとして輸送艦にラーケン中佐が乗り込み先行することになった。残った副長のブルームハルト大尉が応急修理を終え次第、後を追うことになった。

本来であれば、アイゼンフート伯爵の私設艦隊の中から護衛を頼むところであるが、伯爵の曽孫が関与した事件の影響で艦隊を動かせる状態ではない為断念したのである。
しかし、この星系はフェザーンからの物資輸送ラインである為、正規軍のパトロールも頻繁に行われていて海賊等が出ない為、安心して単艦行動が出来る星域であった。

2月15日エックハルト星系近郊でエムデンは辛うじて追いつき、再度艦列を立て直す為にラーケン中佐がエムデンへ移ろうとシャトルの準備を行い始めたその時、突如ワープアウトがあり、一隻の真っ黒な巡航艦が現れいきなりエムデンを攻撃してきた。

いきなり至近距離からの発砲でエムデンは呆気なく爆炎と共に消え去った。
そして、アルトマルクに対して威嚇射撃を行い『直ちに降伏せよ、無電を打つな』と光通信が来た。
いきなりの攻撃にパニックになる乗組員達、守ってくれるはずのエムデンは既に消え去り残骸が漂っている状態である、リンツ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ