第九十七話 クラーマー逃亡
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ら一族と部下と共に亡命してきたのである。
政府や軍部でも亡命を受け入れるかで、喧々諤々としていた。
悪名高い社会秩序維持局ほどでは無いが、憲兵隊も民衆弾圧の手先であるから、その様な組織の副総監を受けれるべきでないという意見。亡命者であるなら分け隔て無く受け入れるべきだという意見。など諸々の意見が流れた。
しかし中将がイゼルローン要塞のトールハンマー射程を知っており、更に帝国貴族の醜聞を知る立場にあることから、前者は宇宙艦隊司令部から、後者は情報部から亡命をさせるべきであるとの事で結局は亡命を受け入れる事に成った。
そして3月3日に自由惑星同盟軍のルジアーナ造兵敞警備隊からの迎えの巡航艦と共に同盟領へ入国しルジアーナから同盟軍巡航艦によりハイネセンへと旅立った。
無論情報部はスパイ疑惑がある為に徹底的に調べるのであるが、
事件のあらましを聞いて帝国内に政変が起こった事を確信するに至ったのである。
しかし同盟政府はその情報を有効活用できずに終わっている。
選挙が未だ近くない為に政府が、それほど焦っていなかったからである。
クラーマー一行はハイネセンに着くと情報部の調査を受けた後で、
邸宅をあてがわれて住み始めたのである。
情報部などの手伝いをすることを確約した上で。
クラーマー中将は同盟軍に中将待遇で分室を貰い貴族の醜聞の纏めを行っている。
長男のアウグストは同盟軍に大尉として任官したが親父の分室で遊んでいる。
次男のグスタフは遊び歩いては女の子をナンパしている。
オットー・ハルバッハ中佐は同盟軍の中佐になったが、暫く監視が着くことになった。
その他の兵員60名はそれぞれ監視がつくが、一般市民としての教育を受けた後で、自分の道を歩むようにハルバッハ中佐から命じられた。
帝国暦481年3月31日
■オーディン ノイエ・サンスーシ 小部屋
小部屋に笑い声が響いている。
「ハハハ、グリンメルスハウゼン、急報中に居眠りとは、良い演技じゃったぞ」
「陛下、閣下は本当に居眠りしていたのです」
「ケスラー、卿までその様な事を言うとはな」
皇帝とケスラーにからかわれた、グリンメルスハウゼンは少々憮然としている。
「まあ、見事に策がはまったのですからいのではありませんかな」
「ケーフェンヒラーの言う通りよ、クラーマーは見事に叛徒共の元へ逃げ込んだわ」
ケーフェンヒラーの言葉をテレーゼが肯定する。
「しかし、殿下あの艦の爆沈はよく考え着きましたの」
「色々とね、オンボロ巡航艦が故障して、一旦分かれて帰還後に撃沈される。
無人にして沈めるにはリアルさも必要でしょ、それに艦長2人の自決もだしね」
「元々あの2人はデーターベース上での存在ですからね、工作員が化けるのは
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