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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第九十七話 クラーマー逃亡
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態であった。

2月28日オーディンに到着し、憲兵隊による取り調べが始まった。
その5日後、3月1日に、クラーマー一行がフェザーンへ逃げ込んだとの一報が入った。
そして、同盟を僭称する叛徒共へ亡命したと連絡が来たのである。

そして悲劇が起こった、ラーケン中佐とリンツ少佐が護送失敗の罪を全て被って自決したのである。遺書には皇帝陛下の御名を汚した罪は万死に値するとあり。全て両名の罪であり、残りの乗組員には罪が行かないようにお願いしたいとあった。

この話を聞いた陛下より、生き残りの19名対しての恩赦と死亡した全員の遺族に対して弔慰金が下賜された為、軍部としても玉虫色の解決が図られる事になった。


帝国暦481年2月22日

■アイゼンヘルツ星系近郊  巡航艦アトランティス

 脱出に成功したクラーマー一行は元部下ハルバッハ中佐指揮の巡航艦でフェザーンへと向かっていた。
途中彼方此方で隠れる関係で時間がかかっているが、あと少しでフェザーンである。
艦内ではクラーマー元副総監が喜びながら、ハルバッハ中佐を褒め称えていた。

「ハルバッハ、良く来てくれた。お前が来なければ儂は殺されるところだった」
「閣下にご不便をおかけして誠に申し訳ありません」
「なんの、此だけの艦を掠めるのも大変だったんだろう」

「苦労はしましたが、軍内部にも今回の陛下の成されように不満がある者が居りますので、旨くだまして手に入れました」
「そうか、ありがたいな」
「元々この艦はスクラップになる予定でしたから、簡単に手に入れられました」

「なるほどな」
「ただ袖の下で閣下の秘密資金を半分ほど使いました事をお詫びしたいます」
「半分か、まあ良い。死んだら何の役にも立たないのだからな」
クラーマーはワインを飲みながら上機嫌である。

「してフェザーンへ行ってからはどうするのだ?」
「フェザーンですと、帝国の官警に見つかり連れ攫われる可能性がございますので、同盟へ亡命するしか無いかと存じます」
「うむ、叛徒共の元へか、しかし儂は平民共を虐げてきた憲兵隊副総監だ。
叛徒共にしては敵ではないのか?」

「はっその点におきましては、閣下がご記憶の貴族達の醜聞の記録を出して、更にイゼルローン要塞のトールハンマー射程が6.4光秒である情報を出せば、喜んで迎え入れてくれるでしょう」
「うむ、確かにそうかもしれんな、ハルバッハ、卿に任せよう」
「御意」


宇宙暦790年 帝国暦481年 3月1日

■自由惑星同盟 首都星ハイネセン 統合作戦本部

 この日、フェザーンの高等弁務官事務所から入った一報で統合作戦本部は喧噪に包まれた。
元銀河帝国軍憲兵隊副総監クラーマー中将が亡命を求めてきたのである。
中将は命からが
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