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NARUTO 桃風伝小話集
その25
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に相応しい名前は無いって、僕は思いますけど。ねえ、サスケ」
「ああ。そうだな。しかもタズナさんは道中含めて何度もガトーの手の者の忍者に襲われている。にも拘らず、結果としてこうして橋は完成した。タズナさんの尽力なくしてこの橋の完成は見なかったとオレも保証する」

私が話を振ったサスケの言い分を聞いていたサクラも、素直に私の意見に同調してきました。

「確かにそうね。ナルトとサスケ君の言う通りだわ。私もこの橋の名前はタズナさんの名前がいいと思う。だって、確かにタズナさんが居なかったらうちの里は依頼を受けなかったし、そう考えると、確かやっぱりタズナさんは波の国の危機を救った英雄って事になるわよね!!」

サクラの言葉尻に被せるように、僕は言葉を繋げてあげました。

「こう見えても僕、英雄って存在については一家言あるんです。英雄ってのはつまり、如何に絶望的な環境に置かれたとしても、自分以外の誰かの為に、決して諦めず、未来への希望に繋がる行動を取れる人の事を言うんでしょう?そして、その行動によって現在の環境改善に成功すれば、そこに居る人々から救い主として持て囃され、失敗すれば、お前こそが自分達の不幸と不遇の現凶と罵られる。それでも構わないから、未来のためにと立ち上がる人の事を英雄と呼ぶんでしょう?そして、その行動がその土地に住む住人が掲げる象徴に都合が良いから担げあげられる存在でもあるんでしょう?だったら、タズナさんが英雄じゃなくて何だっていうんですか?波の国かつ、この街の顔役って点では、今と全然代わりないと思うんですけど」
「じゃ、じゃが!!」

未だに焦りを滲ませ、否定しようとするタズナさんに向かって、私はにっこりと有無を言わせぬ一言を言い放ってあげました。

「それに、ガトーにずっと命を狙われるなんて危険な役を、この橋が出来るまでずっと張り通して、橋を作ろうと声をかけて回ったのもタズナさんなんですよね?だったらやっぱり、タズナさんはこの波の国の皆さんが誇る、波の国の英雄に他ならないですよね?」

そう言いながら、同意を求めるように集まった皆さんの目を見渡せば、全員が全員、我が意を得たりとばかりに頷いてくれた。

「ナルトちゃんの言う通りだ!」
「そうだそうだ!」
「タズナさん。嫌がってるあんたには悪いが、やっぱりこの橋の名前にはあんたの名前しかねえと俺たちも思うぜ!」
「俺達にはまだまだ希望が必要なんだ!あんたの行動はその象徴だ!命を狙われて、それでも橋造りを諦めねえなんて、誰にでも出来る事じゃねえ!木の葉に助けを求める事もだ!やっぱりあんたはすげえ人だよ!俺達の誇りで、俺達の英雄だ!!!!」

話を振ったのは私ですが。
熱狂的に爆発した人が口走った私の名前をちゃん付けで呼ばれて、街の人達からそう呼ばれる事になった
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