ペルソナ3
1990話
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れない相手となるのは当然だった。
……それでもジンの事をどこかで見た覚えがあるかも? と思えるのは、恐らく何らかの理由で強く印象づけられたから、だと思うんだが。
正直なところ、その辺りを完全に思い出すのは不可能だ。
いや、今はジンについて考えている場合じゃないか。
「アクセル? どうしたの?」
「ああ、悪い。以前タカヤと一緒にいた、ジンって奴を覚えてるか? 陸軍の旧基地で会った」
「え? 何よりいきなり。……まぁ、覚えてるけど」
「わん!」
ゆかりの言葉に、コロマルも忘れていないと吠える。
あれだけ印象強い出来事だったし、今月の事なんだから、覚えていてもおかしくはないか。
「あの時にタカヤと一緒にいた、ジンって奴。そいつ、どこかで見た覚えがあるんだよな。名前は知らなかったから、どこかですれ違ったとか、そういう程度かもしれないけど」
「ふーん。……けど、ストレガだっけ? 影時間に適性があるのなら、タルタロスがあるこの辺で活動していてもおかしくはないんじゃない? それこそ、街ですれ違った事があってもおかしくないと思うけど。……まぁ、あのタカヤって人なら、一度見れば忘れられないけど」
「それは否定しない」
上半身裸の男が、屋久島のような場所ならともかく、こうして街中にいれば酷く目立つのは当然だろう。
それこそ、普通に警察を呼ばれてもおかしくはない。
いや、でもタカヤは男だし、上半身を脱いでるだけならそこまで問題にされないのか?
下半身ならともかく、上半身が裸の男というだけだと、その辺りの判断は結構曖昧だからな。
「ジンと名乗った男の方も、それなりに印象強い奴だったけど、どうしてもタカヤに比べるとな」
「……そうね。色々な意味で強烈な印象を残してくれたものね」
「わん!」
ゆかりどころか、コロマルにまでこうやって同意するように吠えられるというのは、タカヤはそれだけ印象強かったという証なのだろう。
もっとも、今となってはその辺りはあまり意味がないのかもしれないが。
「ともあれ、桐条グループの方でもジンは探していると思うし、見つかれば美鶴から連絡が来る筈だ」
桐条グループという言葉に、ゆかりは微妙に嫌そうな表情を浮かべる。
以前は思い切り嫌そうな表情を浮かべていたのを思えば、まだ嫌ってはいるが、以前に比べると大分桐条グループに対する感情もマシになってきたといったところか。
この辺りは、何だかんだと美鶴との関係や……そして何より、屋久島で武治と直接会って会話を交わした事が良い方向に向いたと考えるべきか。
ただ、相変わらず母親との仲は険悪なままだ。
赤の他人、それどころか父親をスケープゴートにした桐条グループに対しては大分感情が和らいできたというのに、何故母
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