第五話 闇の気配
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で一番賢そうなラチンスは言った。
「あぁ、今日出会ったばかりの女の子で名前はフェルト────────」
「「「!?」」」
その名前を聞いた瞬間。
ガストンは腹の音を堪えながら驚きの表情を見せ。
ラチンスは手持ちのナイフを地面に落とし。
カンバリーは思い切っりズッコケた。
……アレ、俺……なんか不味い事を言ってしまった?
三人の男は挙動不審になりながらも冷静さをなんとな保とうと互いの顔を見つめ合う。
「おい……シロウ、」
そして誰よりも冷静さを取り戻したラチンスは。
「お前、今さっきなんつった?」
「え。いや、フェルト……って女の子の名前なんだけど……?」
改めて、フェルトの名前を聞いたラチンスは軽く舌打ちをし「けっ。あの巨人族の所の糞ガキか!」と地面の土を蹴り上げた。
「え、なに?
なんで、怒ってるんだ?」
「怒ってねぇよ。てか、それなら早く言えよ。わざわざこんな何もねぇ所をグルグルと歩き回る必要ねぇじゃねぇか、」
そう言ってラチンスは早歩きでせっせと歩き出す。俺もその後を追うが……何故、ラチンスは怒ってるんだ?
「アイツ、数日前の一件でフェルトを目の敵にしてんだよ」
俺の疑問の眼差しを理解してくれたのかカンバリーは小さな声で言った。
「数日前の一件?」
「あぁ。ちょっと色々あってな、」
「まぁ、あれはラチンスの野郎も悪いけどな」
ケケケっと小さく笑い合うカンバリーとガストン。
フェルト……一体、お前は何をやらかしたんだ?
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建物の中は様々な商品らしき物が並べられていた。
錆びた剣。
ボロボロの鎖帷子。
半分に割れた盾。
武器屋……と言われれば半ばか納得できるかも知れないが、これを商品として売り付けるのはどうかと思う。
そんな建物の中で場違いな少女 エミリアはカウンターの椅子にキョトンと座っていた。
「ほれ、」
この建物の宿主であるバルガ・クロムウェルは白い液体……恐らくミルクであろう飲み物をを差し出してきた。
「あ、ありがとうございます」
エミリアは少し戸惑いながら飲み物を受け取り一口飲んでみる。
…………これは、なんというか微妙な味だった。
どうやらミルクを水で薄めたものらしい。
不味くはないが好んで飲みたいとは思わない。だが、頂いたものを無下には出来ない。
少しずつチビチビと飲んでいく。
「で、お主はなんであんな所で突っ立ておった?」
「え、はい。
その……友達とはぐれてしまって……そのぉ……」
「迷子か?」
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