458部分:第三十五話 椿と水仙その九
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ったのである。
「ここまで強いと。何か」
「確かに強いですね」
「これ程強いとは思いませんでした」
こうしたこともだ。真理は言った。
「ですがこの香りは」
「強いです。ですがそれでも」
「優しい香りですね」
「そうですね。つまり強さと優しさは」
あまり深く考えなければ両立しないその二つがだ。実際はどうかというのだ。
「それは両立し得るものなのですね」
「そうですね。いえ」
「いえ?」
「人は本来弱いものですが」
真理はまずは強さとは逆にあると考えられているここから考えた。そうして言うのだった。
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