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転生とらぶる
ペルソナ3
1989話
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 死神……いや、刈り取る者と召喚の契約を結んだ翌日、俺はゆかりと共に荒垣の見舞いに行った後、再び俺のアパートに戻ってきていた。
 男の部屋に俺と2人きりでいるにも関わらず、今のゆかりには特に緊張した様子はない。
 ……まぁ、俺の部屋に来るのはこれが初めてって訳でもない。
 それどころか、付き合う前も付き合い始めてからも、ゆかりがこの部屋に来るのは珍しい話ではないのだから。

「荒垣さん、いつ目を覚ますのかしらね」

 ゆかりが冷えた麦茶の入ったコップを口に運びながら、そう告げてくる。
 ゆかりにとって、荒垣はずっと一緒に――といっても数ヶ月だが――タルタロスに挑んできた仲間だ。
 ましてや、ペルソナを召喚出来るようになったゆかりに対し、ペルソナの使い方を1から教えた、ある意味では教師ですらある。
 そんな荒垣が意識不明になって入院しているのだから、心配になるのは当然だろう。不幸中の幸い……と言うべきか、荒垣が入院しているのは桐条グループの資本が入っている辰巳記念病院で、影時間やシャドウの類について深く理解している奴が多いし、何より入院費の類は請求しないと武治から聞いた事は、荒垣にとっては運が良いのは間違いない。
 何気に、入院費とかって結構するからな。
 特に荒垣の場合は1人暮らしをしているから、その辺りの金のやり取りも色々と厳しいだろうし。
 ともあれ、何が理由でああなったのかは分からないが、病院でのやり取りを見ている限りでは、ペルソナの暴走……なんて簡単な話ではないのは間違いない。
 そもそも、ペルソナの暴走だとすれば、他のペルソナ使い達も荒垣のような症状に襲われる可能性が出てくる訳で……出来ればそんな可能性は考えたくないというのが、俺の正直なところだ。

「そうだな。出来るだけ早く目を覚まして貰わないとな。俺の料理もあくまでレトルトをメインにちょっと具材を追加する……って感じのものしか教わってないし」

 もっとも、最近のレトルトや冷凍食品はかなりのレベルにある。
 勿論本職の料理人が作った料理には及ばないが、ちょっとした料理上手……といった者が作るよりは美味いものが多い。
 もっとも、それはあくまでも味ではそうだという事であって、実際に人が作った料理と冷凍食品、味が同じくらいならどっちを食いたい? と言われれば、大抵は前者だろう。
 少なくても俺はそうだ。

「もしかして、アクセルが荒垣さんに無理に料理を教えて貰ったのが影響して……なんて事はないわよね?」
「それはない」

 と思いたい。という最後の言葉は取りあえず黙っておく。
 だが、実際に最近は荒垣と連絡が取れなくて、とてもではないが料理を教えて貰うという事は出来なかったんだが、荒垣が今の状態になったのは、俺が原因という可能性は少ない筈だ。

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