23 売り言葉に買い言葉 R-15指定 〈完結話〉
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。」
知らない顔をしてみせる晋助。そしてしばらく明後日の方向を見ていたので、その隙に逃げだそ
うしたが、その手を捕まれてくるんとひっくり返されてキスをされた。
顎も固定されていて動かせないのに加えて、舌も入ってこようとする。
頑なに反抗し続けたら、キスは終わり、膝の下に晋助の細身で、でも筋肉質な腕に抱かれ、所謂お姫様抱っこスタイルになった。降ろしてもらえるようにじたばたするも、晋助には全然効かない。
_「ククク)結局おめェは女だなァ。」
してやったり、という悪い笑顔を浮かべている。
_「女ですがなにか?」
あえて、ツンとした態度を貫く。
こんなことした仕返しだ。
_「ほォ、あくまでオレに逆らう気がある、と捉えるぜ?」
_「じゃあ仮に逆らえば、何があるのですか?監禁でもするのですか?」
_「監禁…か。それもありだなァ。いいこと聞いた。」
敷いてあった布団の上に、放り投げられる。その勢いで転がり逃げようとしたら、腰を捕まれ、引き戻された。
_「オイ、また逃げようってかァ?」
_「いやいや、そんな訳…」
私の上に覆い被さる。
_「じゃァ、覚悟はできてんなァ?」
対策を考えろ、私!
_「い、いや…ただ、お風呂入ってからがいいんじゃないかな、って思いマス…私は。」
_「どうせなら、後から入った方がいいと思うぜェ?オラァ。」
ヤバいです、もうすでに封じ込められてマス。組み敷かれてマス。
顔が近い。欲に駆られた目をしている。
_「どうせ汗かくんだしよォ。」
ちょっと掠れた声で、耳元で囁く。思わずドキッとした我が身を殴りたい気分である。
キスの雨が降ってきた。苦しくて、彼の筋肉質な胸板を必死で叩くものの、結局邪魔だ、とほどいた自分の帯で縛られた。そうすれば抵抗もできめェ、としたり顔で耳元で囁く。
_「オレに逆らえばどうなるか、体に叩き込まねばなるめェ?」
ろくな抵抗もできないのも癪に触って抵抗してしまう。それが本当に危険な状況でも。
こちらも黒い笑みを浮かべて応戦する。
_「やれるもんならやってみればいい、」
その言葉を境に、戦いの火蓋は切られた。
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