第20話:中休み(虚無の日で息抜き?)
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ていませんからいっしょに乗るのは無理です。じと目で見られるのを振り切ってメアリーを連れていそいで外に逃げました。いつもの訓練場まで行って『ヴァルファーレ』を呼びます。
「『ヴァルファーレ』おいで!」
空が裂けて『ヴァルファーレ』が飛び出してきます。心なしか咆哮が嬉しそうに聞こえます。一週間ほったらかしでしたからね。
「『ヴァルファーレ』。おはよう。調子はどうですか?」
[我の調子は万全じゃ。しばらく呼ばれなかったので退屈しておった所じゃ。もっとちょくちょく呼ばぬか!!]
やっぱり、退屈していたんですね。怒られてしまいました。
「済みませんでした。私も仕事が忙しかったので呼ぶ暇がありませんでした。これからは気を付けますね。」
[解ればよいのじゃ。それで今日は皇城か?]
「はい。メアリーと二人乗りでお願いします。」
[ふむ、今日は妹孝行か。兄という者も大変じゃの。まあ、たまにはそれも良いじゃろう。乗るが良い。]
相変わらず、偉そうですね。さっそく座席を取付けて、メアリーを前の席に乗せしっかりとベルトで固定してあげます。それから僕も後の席に乗りベルトを締めました。
「準備完了です。それではお願いしますね。」
[了解じゃ。それでは行くぞ。]
翼を広げてゆっくりと上昇を始めます。今日はメアリーが乗っているので、いつもの急上昇は無しですね。『ヴァルファーレ』も結構気を使っているようです。
綺麗な青空の中を、雲を下に見ながら飛んでいくのはいつもながら気持ちが良いことです。メアリーも大喜びで、あっちこっちを指さしては、あれは何と僕に聞きます。メアリーは何度か『ヴァルファーレ』に乗せて貰った事がありますが、屋敷の上空を旋回するだけでしたから、こんなに遠くまで飛ぶ事はなかったので初めての景色なのです。
1時間程度の飛行ですが、ここ1週間、講義と試作品作りばかりやっていて溜まった鬱憤が、すっかり晴れるような感じです。やっぱり空を飛ぶのって良いですね。
皇城の上まで来ましたが、侍従の方や女官の方達にしてみれば、いつもの事なので突然飛んできても驚く人はもういません。
今日の警備担当はマンティコア隊のようですが、近くまで上がってきても、誰何もせずに軽く手を振って離れていきました。『ヴァルファーレ』に対しては警備行動もすっかり形式化してしまっていますね。
皇城の庭に着陸すると、女官のスピネルさんが待っていました。メアリーのベルトを外して、『ヴァルファーレ』から降ろしてあげます。
「スピネルさん、こんにちは。今日はメアリーも連れてきましたのでよろしくお願いします。」
「いらっしゃいませ、アルバート様。メアリー様もお久しぶりです。良くいらっしゃいました。それではこちらにど
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