MR編
百五十二話 竜使いの悩み事
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しながら、キリトはリョウを見る。
「どうする?兄貴だって、興味あるんじゃないのか?」
「ま、否定はしねぇけどよ」
肩をすくめて、自分を観るシリカとどこか楽しそうなアイリの顔を見る。一瞬考えて、リョウは頭をガリガリと掻いた。
「……ま、いきなりカロリー高そうなダンジョンってのも、偶には良いか……」
「あ、ありがとうございます!」
「やった!リョウならそう言ってくれると思ってた!!」
「ったく……」
どうにもアイリに乗せられてしまったような気がして釈然としなかったが、とはいえ、自分を強化したいと思い始めたシリカの姿勢は尊重したいところだし、キリトも乗り気になっている。なにより……
「まだ誰もクリアしてないクエストかー、楽しみだね!!」
「うん、でも、情報がほとんどないから慎重に行かないと……pot系は、多めに持っていきましょう」
「私もMPポーション買い足さないとかな……先に、イグシティに寄ってから行く?」
「あ、ダンジョンの近くに、中立域の街があるみたいだよ!ロケーターストーンもある!」
「…………」
「楽しそうだね、三人とも」
すぐ隣から、アイリがささやいた。
少し辟易としながらリョウは小さなため息をつくと、恐らくは勝ち誇ったような笑みを浮かべているであろう彼女の方を極力見ないまま問い返す。
「お前、このお節介の為にわざわざシリカ出汁にして連れてきたのか?」
「まさか!シリカちゃんと仲良くなりたいし、手伝ってあげたいのは私の都合だよ。その為に戦力が必要なのも、ホントの事だしね?リョウが何か思う所あって、それとタイミングよく私達のお願いが一致したとしたら、それは偶然」
「で?たまたまあの三人がお前が待ち合わせ場所に指定した此処に居たのも、キリトがお前が来る直前に此処に来たのも偶然か?」
都合よすぎんだろ、と言いながらキリトの方を見ると、彼は少しニヤッと笑ってシリカと話し始める。
「いやぁ、偶然って怖いねぇ」
「……相変わらず面倒見のよろしいことで」
「……お節介だったかな?」
少しだけ、アイリの声に不安そうな色が混じる。ここまでやって置いて、突然しおらしくなるその様子が計算なのか、それとも本心の不安が漏れた者なのか、少し考えて、しかしリョウは小さく笑った。
「いや、正直、ありがてぇ、とは思うぜ?なんとなくタイミングつかめなかったしな」
「あ、リョウが気を使うなんて珍しい!ホントにこの事については不器用になっちゃってるんだねぇ」
「うるせぇ。つーか。ホントにってなんだお前」
「ふふふっ、教えてあげない、私二人から怒られたくないもん」
その時点で半ばアウィン//杏奈が何か言ったと言っているようなものだ。そう思いながら、リョウはユウキたちに声を掛けに行くアイリを見送る。
彼女がどうし
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