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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十二話 竜使いの悩み事
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「そ、そんなことありません!」
少し残念そうな顔をして小首をかしげるアイリに、思わず、半ば反射的にシリカは答えていた、なんだか乗せられているような気がしないでもないが、それでも、一緒に楽しくゲームを遊びたい、と言われてしまえば、断るなどと言う選択肢はそもそもシリカの中にはないし、そう言う友人はそれこそいくらでも欲しい。何より。

「わ、私も、アイリさん達と仲良くなりたいです!」
「そっか!よかった〜!っじゃ、頑張っちゃおう、《竜使い》シリカちゃんっ!」
「ハイっ!!……えぇっ!?」
いきなり飛び出したワードに、シリカは耳を疑った。《竜使い》は、SAO時代にシリカが呼ばれていた二つ名だ。飛龍(ワイバーン)を普通にテイムできるこの世界では、そのように呼ばれたことは一度もない。それを知っているということは……

「あ、アイリさんS……前から私の事知ってるんですか!?」
「勿論!私、シリカちゃんと同じ中層のプレイヤーだったからね、結構噂になってたんだよ?フェザーリドラを連れた可愛い女の子の《竜使い》がいる、って、アイドルみたいな噂話だったよね〜」
「うぅ、わ、忘れてください!」
「え、なんで?可愛いのに」
「あの頃の私は黒歴史なんですぅ!!」
《竜使い》の名前自体はピナの事も湛えられているようで悪い気はしないが、アイドル扱いは一番調子に乗っていた時期の話なので、完全に黒歴史だ。顔から火が出そうなほど朱くなった彼女に、アイリは朗らかに笑って抹茶ラテを飲み干す。

「はーい、じゃあ忘れ……られるかは自信ないけど、努力はするね〜、それで、考えたんだけどさ、シリカちゃん」
「絶対忘れてくださいぃ!え、あ、はい」
「最初にこれ、手に入れたら楽なんじゃない?」
いいながら、アイリはシリカのリストの一番下にあったものを指さす。そこにはシリカがあくまでも「おまけ」として書いた一つのアイテムの名があった。

「え、で、でもこれは……アイリさんが居ても二人だけじゃ」
「うん、だから……はむっ!!」
言いながら、やってきた店員がおいていったモンブランを大きく切り取ってパクつくアイリを見て、つられてシリカもチーズケーキを食む。更にもう一口と切り取ったケーキを持ち上げたところで……

私達二人の知り合い、巻き込んじゃおう!」
「え……」
ポロリ、とケーキの欠片が地面に落ちるのと殆ど同時に、「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!?」という絶叫が傾き始めた日の下に木霊し、そのあと数分、またしてもシリカは顔を朱くする羽目になった。

────

「そーいうわけで、手伝ってくださいっ!」
「く、ください!」
「おいおい……」
二人の知り合い、テーブルの向こうで呆れた顔で二人を見るリョウに、シリカは緊張の面持ちで上目気味に顔色を窺
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