MR編
百五十二話 竜使いの悩み事
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「い、いえいえ!私の方こそ気が付かなくてごめんなさい!」
「良いよ良いよ。なんか考え込んでたみたいだったし。あ、此処座っても良い?」
「は、はいどうぞ!」
ありがとー、と言いながらあっという間に対面に座った彼女は、店員のNPCを読んでモンブランと抹茶ラテを注文する。あれよあれよという間に一緒にお茶をする流れになっている目の前の女性に、シリカは若干身体を動かして姿勢を正した。
ほんわかとした雰囲気を醸し出してはいるが、この女性……アイリはこの間までキリトとリョウが調査に向かっていたゲーム、GGOにおいてシノンと同じくトップクラスの実力を誇るプレイヤーである。銃主体の戦闘が展開されるかの世界において彼女はキリトと同じように光剣を戦闘の主体の一つとして置いており、最近ではそれまでキリトにしか不可能だった銃弾切りを自力で可能にしたというから、その戦闘センスは折り紙付きだ。当然、そのセンスはALOでもいかんなく発揮されている。
今彼女が使っているアバターである「アイリ」は、GGOではなくSAO時代のデータを基に作成されたALOアバターだ。ただし、それはステータスだけで、アバターそのもののデザインはリョウと同じようにALOで自動生成されたものを使っている─アバター名も当時の物から変えたらしい─。このアバターから、彼女は自身が現実でも習っているという剣の技量も合わさって、地上戦、空中戦の双方でリーファ並みの超剣技を使いこなして見せる。ただ……
「(そう言えば、私あんまり……)」
何だかんだこの前のバーベキューでも共に食事していたりしたのだが、考えてみると彼女の事自体はよく知らないな、と思って彼女の顔を窺うと、当のアイリはジッとシリカを見ていた。
「え、えっと、先輩、どうしたんですか?こんなところで」
「先輩はいいよ〜、リアルの関係ばれちゃうしね?」
「あ、わ、す、すみません!えっと、アイリさん!」
苦笑していう彼女に、シリカは慌てて頭を下げる、無意識に呼んでいたが、彼女の事をそう呼ぶのは実際、現実でのアイリとシリカの関係を周囲に知らせているようなものだ……とはいえ、常日頃から敬称として使っている言葉を使ってしまうのも、無理からぬことではある。何せ彼女はシリカより5歳も年上、しかもシリカが通うSAO帰還者学校で、生徒会副会長と言う立場に居るのだから。
そう、彼女もまた、シリカと同じくSAOにとらわれていたSAO帰還者の一人である。SAO時代にかかわりが無かったシリカは彼女の事を全く知らなかったが、リョウとはあの世界に居た頃から知り合いだったらしい。ただシリカとしては其処が少し不思議なところで、今も付き合いの深いシリカのSAO時代の友人たちには、リョウ繋がりの人間が多い。なのに以前からリョウと知り合いで、今
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