最終話 エクスマキナ
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いにサソリが五体満足の人形姿で片目を瞑り、ゆっくりと語り掛けるように手を伸ばした。
「キ、貴様ー!?マ、マサカ……イザナギヲ!!!」
「惜しかったな……マダラごと倒すならこの方法しかねえからな……うちは一族ではないオレのイザナギの効果時間は片目で60秒、両目合わせて120秒」
サソリは掌から呼び出したのは黒い球体の塊だった。
「確かこの求道玉は穢土転生体をも消滅させる奴だったな。コイツを持ってくるのに時間が掛かった」
「マ、待テ!」
サソリは求道玉をチャクラ糸で引っ掛けて黒ゼツの前で振り下ろす寸前で止めた。
「待つ?オレは人を待つのも待たせるのも嫌いだ……そんなオレがさっき待った」
「……!?」
求道玉を大きくして二人に分裂した黒ゼツを射程に収めてゆっくりと狙いを定めていく。
「お前は40秒辛抱できなかった……だが、オレはお前の倍の80秒辛抱した!」
「ギガッ…………!!?」
全ての性質を合わせ持つ神の力と呼ばれる『血継淘汰』の力が穢土転生の身体ごと黒ゼツの身体を貫いて砂塵として消えていった。
黒ゼツを求道玉の消滅よりも先にビルに吸着していたチャクラ切れにより地面に落下をした。
徐々に視力を失っていく左目で沈んでいく夕焼けの横で見ながらサソリはビルの間にある路地裏へと落下していき、カーンと乾いた音を鳴らして叩きつけられた。
「あー、しんど」
何処かの銀行で爆発があったようでサイレンの音が妙にうるさく感じた。
身体中が鈍く痛いが、視力は無くなり真っ暗な中で静かに力を抜く。
******
エピローグ
サソリが血だらけで運びこまれて今日で三日目だ。何か激しい戦いをしてきたかのように傷だらけで両目の視力は無いに等しい事が分かった。
何故か知らないが身体は一瞬だけ傀儡人形になってからここまで運ばれるまで人間の姿に戻っていて驚いた。
視力だけは戻らずに包帯でグルグル巻きにされてベッドで横になっていた。
「全く……喧嘩に巻き込まれたならあたしに言いなさいよね!」
「サソリさん具合はどうですか?回復しましたら今度デートに」
「そこは貴方の目になりますですわよ。湾内さん」
「はう」
「力の使い過ぎですわよ。あの眼に頼り過ぎですの……そういえばサソリのお父様に逢ったような」
「眼にはブルーベリーが良いらしいよ!買ってこようか?初春が奢るって」
「言ってませんよー!!」
そこへ麦野達もお見舞いにやってきてサソリの病室はいつも以上にやかましくなっていく。
「旦那ー!具合はどうかしら?」
「何気に身体が弱いわけ?」
「いや、超強い方ですよね」
「前よりもAIM拡散力場が弱くなった?」
「あー、プリン見つけたー」
「勝手に食うな!」
「先輩ちゃんと休んでくださいっすよ〜。一応尊敬しているんすから」
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