最終話 エクスマキナ
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るほどだ。いや既に夜を通り抜けて暁にでもなったかのような錯覚を受けるが色合いから見れば黄色から橙色の配色が強く経験則からある程度は夕方だとわかる方角も夕陽と断定できた。
超常現象に見舞われる中で集まっていたメンバーに同時刻、携帯のメロディが鳴り始めてバイブレーションが作動した。頭がパニック状態の時にこのような刺激が来ると身体は正直に反応してしまうもので「きゃあ!?」と黄色い声を出して小ジャンプしてしまう。
メロディの長さからメールのようだが客観的な状態から暁派閥のメンバーがそれを受け取ったと言える。
パソコンからの一斉送信のようだ。
「??地面に手を置け???」
御坂が怪訝そうな顔をして携帯電話から目をずらして考え事をする素振りを見せた。
「どういう意味?」
「さあ?超分かりませんね」
絹旗が首を傾げて腕を広げる中で滝壺は世界を覆っていた拡散力場が解けていき、サソリの反応が完全に絶ったのに気が付いた。
不気味な圧倒的な力は確かにあのマダラという男が放っていたのだが途中から塗り替わるように上書きされたような印象を受けていた。
何か起点となる点が存在するはずだ。これほどの大規模な能力を使うにはどうしても何か大きな点が必要になる。
路地裏からは婚后が慌てて息を切らしながら走ってきてサソリからの伝言を伝えるが息が上がっている分意志伝達が多少不便になっている。
「み、みな……はぁつ……月が???」
婚后の目の前には路地裏の閉鎖的な空間から外へと飛び出したのだが捲れあがっていたコンクリートが元通りに修復されて折れ曲がった信号機が歩行者とバイク、車の棲み分けの一助をしていて普段と変わらない学園都市だった。
なんなら音楽プレーヤーを片手に仲間とつるんで歩道一杯に広がって歩いている学生も見掛ける程だ。
「あれ?……元に?」
「ん?!ほ、本当だ!?どうなってんの?」
御坂も違和感に気付いたように振り返って混乱する頭に通常の学園都市に自らの記憶が曖昧模糊となる。
更にメールが届いて画像添付されたデータを展開すると輪廻眼の波紋状の画像が開かれると力が抜けて地面に手をついていく。
あれ……?
何と戦っていたんだっけ?
サソリ?
口寄せの術 発動!
消えかかる過去の戦闘による傷口から流れる血や瓦礫による掠り傷の血が風に飛ばされるように流れていく空に万華鏡の紋様を生み出して空間が歪みだしていき、学園都市中に散らばっていた人形のパーツが意志を持ったかのように組み合わさり首が半回転して傀儡のサソリが呼び出された。
「ふぅ……間に合ったか」
粉々になったはずの身体から懐かしくも罪深き傀儡人形の身体になっていた。戻っていた。
サソリの手に持っていた水晶玉に細かいヒビが入っていき粉々に砕かれると学園都市に付けられた痕跡、被
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