最終話 エクスマキナ
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黒マダラを切りつけた。
「おっ!なかなか面白れぇ技を使うな」
飛び上がっていた垣根が悠然と着地をすると隣で人形を操作しているサソリを関心したように眺めると不敵に笑みを浮かべて言葉を続けた。
「お前さあ、俺のところに来る気はねえか?」
「あ?」
「お前なら俺の右腕にしてやってもいいぜ。どうだ?」
「……断る。一応まだ別の組織に所属しているからよ」
「そうか……今度は素手でやり合おうぜ」
「傀儡を使っていいならな」
「それもそうか」
ドロドロに溶けだした黒マダラが九尾と一体化して輪廻眼が液体のような管一本で身体の前部分に干し柿のようにぶら下がっている。
「悲しいな……それでまだ死ねないか。穢土転生は考えものだな」
「だま……黙レ……」
溶けたことによりやたらと表面積が拡大した尾を振り回して最後の抵抗を見せる黒マダラだが頼みの尾も千切れ始めた。
「ん!?……やっとか」
サソリは一度傀儡の術を解いて指先全部からチャクラ糸を伸ばして反転したサソリの身体は灰塵へと消えて黒か白かも分からない砂粒となり掻き消えた。
「酔うような衝撃が来ると思うから備えておけ」
「!?」
ピシピシ―――――――――――
反転したサソリが消え去ると同時に月から反射されている万華鏡の世界にまでヒビが走るだしてそのヒビはダムが決壊するかのごとく時間の経過と共に大きく修復不可能になっていく。
「!!?」
後ずさりをしながら壊れゆく世界にしばし茫然となり、足元に出現した九尾さえも例外でなく空と同じように、世界と同じようにヒビが入りだしていく。自重を支えられないように九尾を有した黒マダラが触手が伸びた不定形のスライムのように一部分を膨張させたり、収縮させて芋虫のように動いている。
どこからかサソリの声が夏の風鈴のように響く。
「解……」
******
世界の横っ面に強烈なブローが炸裂したかのような衝撃が大通りで集まっていた御坂達に襲い掛かりひび割れたコンクリートに尻餅をついた。
「な、なに……?」
尻餅をつけば自然と視点はやや上向きになり、上空に一直線に飛んでいく不気味な怪光線が飛行機雲のように突き抜けていくのが見えたがその見かけの速度は鈍く遅くなり液体のような衝撃波が出ており、夕焼けのように赤くなっていくとピタっと止まった。
「??」
光のドップラー効果のような現象のあとでカサブタでも剥がれるように空間からボロボロと空気の切れ端が落ちてきて砂のような煤けた欠片が崩れたビルの割れた箇所へと補完するように拡がりだしていき、夕焼けが差し込んでいる。
「時間が戻っている?いや……」
麦野が時計を確認しているが時刻は夕方の午後五時を二分程過ぎた辺りで正常に動いていた。
沈み行く夕陽が空を貸し切っているのがこれほど不可解に思え
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