最終章:夢を追い続けて
第67話「足止めの戦い4」
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(まだ……!)」
何度も躱されているからか、動きに若干慣れてきた。
だからこそ、先程の一撃は当たりそうになった。
ギィイン!
「っ、しまっ!?」
「隙ありよ!」
だけど、その瞬間、流れ弾が小太刀に当たる。
当然、小太刀のような小さい対象に偶然当たる訳がなく、私が流れ弾を反射的に防ごうとした結果なんだけど……。
明確な隙を晒してしまった私は、スコールの攻撃を防げない。
「っ……!」
でも、その攻撃は、ギリギリで躱せた。
まるで、落ちる木葉を掴もうとして躱されるように。
「今のは……!」
「っ、はっ!!」
スコールが驚き、私自身も驚いていた。
だけど、一瞬早く私が動き、小太刀を振るう。
「っ……!」
「ようやく、ね……!」
ついに、こちらからの攻撃を躱される事なく、防がせる事に成功した。
動揺があったからこそだけど、先程のような動きにスコールは驚いていた。
「……これは……」
「………」
正直、さっきの回避はほぼ無意識だった。
その時脳裏にあったのは、簪ちゃんとの手合わせ。
……でも、あの動きに心当たりはある。と言うか、何度も目の前で見ている。
「(“水”……)」
あの動きは、まるで“水”を宿した時のようだった。
確かに、私は“水”に適性があると、秋十君やマドカちゃんに言われている。
でも、“水”は例え適性があっても一番最初に会得するのは難しいはずだ。
「(出来るかしら?……いえ、やるしかないわね)」
元より、“楯無”としては勝てない。
流れ弾を利用しようとしても、早々こちらへは飛んでこない。
……だったら、“水”を使うしかない。
「(使いこなすのは不可能。それは分かってる。……必要なのは、動きを知り、攻撃を当てる事!)」
いきなり使いこなすなんて、天才でもない限り不可能だ。
別に使いこなす必要もない。今必要なのは、攻撃を当てる事だからね。
「この土壇場で、こんな事……!」
「まだ、不安定だけどね……!」
“水”は、所謂武術の極致に通ずるものがある。
今まで習得しようとしていなかったとしても、私のように、武術を修める者は習得しやすいと秋十君とかに聞いている。
だから、私の場合土壇場で使えたのだろう。
……あっさり会得しちゃったら、また簪ちゃんが拗ねそうね。
「っ……!」
「くっ……!」
攻撃、回避、防御の応酬がまた繰り返される。
でも、違う所があった。それは、ちゃんと“攻防”として成り立っている事だ。
さっきまでは、私が攻撃し、それを全てカウンターで返されているという、完全な劣勢だった。けど、今
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