最終章:夢を追い続けて
第67話「足止めの戦い4」
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「(同じ手は通用しない。あれは、迎え撃てると思っていたから成功しただけ。反応速度で勝っているなら、今度は避けられる……!)」
活歩は不意を突いたり一気に間合いを詰めるのには役立つ。
けど、反応速度で上回れると、ただの愚直な一直線移動だ。
そんなの、トーレ相手には良い的でしかない。
「(でも、それでも……!)」
普通に間合いを詰めるよりは、よっぽど有効だ。
だから、あたしは再び活歩で間合いを詰めた。
「それは、見切った!」
「っ、ぁっ!」
やっぱり、間合いの外まで避けられる。
立ち止まり、深く踏み込んで……。
「っく……!」
纏で攻撃を逸らす。さっきまでと違って、片手だ。
手数の差で負けるとは思っていたけど……。
「っ……!」
……どうやら、トーレも無事とはいかないらしい。
さっきの一撃が響いていて、どうも拳のキレが悪い。
「(……なら…)」
それは、私にとって好機。
「っ!?しまっ!?」
攻撃を逸らした瞬間に、足払いを掛ける。
バランスを崩したトーレは、思わず飛び退く。
「(逃がさない!)」
それを追うように、あたしも活歩で迫る。
好機とは言ったけど、これは賭けだ。
飛び退かせたのを追う事によって、活歩への反応を遅らせる。
でも、それでも反応してきたらあたしの負け。
そうじゃなかったら、あたしの勝ちだ。
「(おまけ、よ!!)」
あたしが打てる手は、これが限界じゃない。
さらに、懐に入れていた投げナイフを二本、投擲する。
それらは、直接トーレを狙う訳ではなく、両サイドを狙う。
これは、横に避けるという選択肢を消すため。
どの道、活歩一回では届かない距離まで下がろうとしていたから、丁度いい。
「っ!!」
そして、決着の時。
あたしがもう一度活歩で間合いを詰め、トーレは……。
「はっ……!」
……あたしに、反応して見せた。
薄く笑うように拳を繰り出してくる。
「(今更、止まれる訳ないわ!)」
敗北は濃厚だろう。でも、もう止まらない。止まる訳にはいかない。
トーレの拳よりも先にあたしの拳を届ければいい事だ。
だから………!!
「ッ―――!?」
……“結論”から言えば、あたしとトーレでは体格の差が大きい。
同時に拳を繰り出せば、負けるのはあたしだ。
「そん、な……!?」
“信じられない”と言った声が、その場で響く。
……だけど、それを言ったのはあたしじゃない。トーレだ。
「は、はは……」
乾いた笑いが、あたしから漏れる。
正直、あたし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ