暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第67話「足止めの戦い4」
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「(同じ手は通用しない。あれは、迎え撃てると思っていたから成功しただけ。反応速度で勝っているなら、今度は避けられる……!)」

 活歩は不意を突いたり一気に間合いを詰めるのには役立つ。
 けど、反応速度で上回れると、ただの愚直な一直線移動だ。
 そんなの、トーレ相手には良い的でしかない。

「(でも、それでも……!)」

 普通に間合いを詰めるよりは、よっぽど有効だ。
 だから、あたしは再び活歩で間合いを詰めた。

「それは、見切った!」

「っ、ぁっ!」

 やっぱり、間合いの外まで避けられる。
 立ち止まり、深く踏み込んで……。

「っく……!」

 纏で攻撃を逸らす。さっきまでと違って、片手だ。
 手数の差で負けるとは思っていたけど……。

「っ……!」

 ……どうやら、トーレも無事とはいかないらしい。
 さっきの一撃が響いていて、どうも拳のキレが悪い。

「(……なら…)」

 それは、私にとって好機。

「っ!?しまっ!?」

 攻撃を逸らした瞬間に、足払いを掛ける。
 バランスを崩したトーレは、思わず飛び退く。

「(逃がさない!)」

 それを追うように、あたしも活歩で迫る。
 好機とは言ったけど、これは賭けだ。
 飛び退かせたのを追う事によって、活歩への反応を遅らせる。
 でも、それでも反応してきたらあたしの負け。
 そうじゃなかったら、あたしの勝ちだ。

「(おまけ、よ!!)」

 あたしが打てる手は、これが限界じゃない。
 さらに、懐に入れていた投げナイフを二本、投擲する。
 それらは、直接トーレを狙う訳ではなく、両サイドを狙う。
 これは、横に避けるという選択肢を消すため。
 どの道、活歩一回では届かない距離まで下がろうとしていたから、丁度いい。

「っ!!」

 そして、決着の時。
 あたしがもう一度活歩で間合いを詰め、トーレは……。





「はっ……!」

 ……あたしに、反応して見せた。
 薄く笑うように拳を繰り出してくる。

「(今更、止まれる訳ないわ!)」

 敗北は濃厚だろう。でも、もう止まらない。止まる訳にはいかない。
 トーレの拳よりも先にあたしの拳を届ければいい事だ。
 だから………!!





「ッ―――!?」



 ……“結論”から言えば、あたしとトーレでは体格の差が大きい。
 同時に拳を繰り出せば、負けるのはあたしだ。

「そん、な……!?」

 “信じられない”と言った声が、その場で響く。
 ……だけど、それを言ったのはあたしじゃない。トーレだ。

「は、はは……」

 乾いた笑いが、あたしから漏れる。
 正直、あたし
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