第九十六話 芸術家と重臣
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に緊張して、上がりまくりであったが忠誠心が出来ていった。
「殿下、この度は絵画作成に参加させて頂き、ありがとうございます」
「レイトマイエル、男爵夫人から、話は良く聞いておるぞ、しかし依怙贔屓したつもりはない、卿の実力で残れたのじゃ、自信を持つが良いぞ」
「ありがたき幸せ」
「うむ、頼んだぞ」
「はっ」
挨拶後も宴は続き皆が打ち解けたのであった。
参加者には殿下の気さくな姿と、自分たちに対しても分け隔て無くしてくれる姿が、
忠誠心のより所として、非常に好ましく思えたのである。
帝国暦481年1月11日
■オーディン ノイエ・サンスーシ 謁見の間
この日、リヒテンラーデ侯爵とエッシェンバッハ子爵が連れ立って陛下に謁見を求めてきた。
「国務尚書と副司令長官、如何いたした」
「はっ、陛下にお許し頂きたき事がございます」
「ほう、2人が共に来るとはどんなことであろうか?」
「両家の婚姻についてでございます」
そう聞きながら、陛下がニヤニヤとしてくる。
「婚姻と言うと、フレーデグットとエルフリーデのことか」
2人は、用件をズバリ言い当てられ驚きを得る。
「御意、陛下ご存じでございましたか?」
「なに、テレーゼがエルフリーデに相談されたそうじゃからな、お主等2人が揃って来ると言う事で判ったのじゃ」
「そうでございますか」
「うむ、それで2人とも承知して居るのか、テレーゼが無理矢理はいかんと言うのでな」
皇帝は嬉しそうに娘の成長を語る。
「はっ我が家のエルフリーデが是非にと申しております」
「当家のフレーデグットもエルフリーデならばよしなにと申しております」
フレーデグットは未だ未だ結婚なんて早いといったが、エルフリーデを嫌っては居らんからな。
「うむ、未だ18歳と9歳であるから、今は婚約と言う事じゃな」
「御意、エルフリーデが16になり次第婚姻させる所存にございます」
「なるほど、その婚約、予が媒酌して使わそう」
2人は非常に驚く。
「陛下、それは余りに・・」
「良いのじゃ。フレーデグットもエルフリーデもテレーゼの良き友じゃ。それに卿等は予の良き臣下である、その両家のがりに予が出ないで何と成るか、全て予に任せるが良いぞ」
リヒテンラーデ侯爵もエッシェンバッハ子爵も感動を隠せない。
たかだか臣下の孫の婚約媒酌していただけるのである、此ほど名誉はない。
2人は自然に深々とお辞儀をして返答をする。
「「御意」」
「テレーゼも2人の婚約を喜んでくれようぞ」
「「陛下ありがたき幸せ」」
「良い良い、此から楽しみじゃ」
リヒテンラーデ侯爵もエッシェンバッハ子爵も陛下に対しての感謝と共に暖かい物を感じるのであった。
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