第九十六話 芸術家と重臣
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「「「御意」」」」
「また言ったの、はっで十分じゃ」
「「「「はっ」」」」
テレーゼの言葉ににこやかになる4人達。
「シルヴァーベルヒ、グルック、卿等は協力して劇場及び付属施設の設計を行い。施工の監督も行うように、その間の身分はローエングラム伯爵領内務局所属となる」
「「はっ」」
「メックリンガー、レイトマイエル、卿等は劇場に展覧する絵画を描いて貰いたい、劇場の内装設計が終わったところで、内装の絵画を描いて貰いたい。その間のメックリンガーの身分はローエングラム伯爵領オーデイン事務局所属になる。レイトマイエルは事務局嘱託となる」
「「はっ」」
「さあ、本日は皆の為の宴じゃ、十分に楽しみ語り合って貰いたい」
「「「「はっ」」」」
テレーゼの元へ皆が順番に挨拶に訪れその際に気さくに話す姿を見て4人は驚きを隠せない。
今まで会って来た貴族令嬢は大半が高慢ちきで居丈高ばかりだったからである。
この姿を見ても、このお方に協力して劇場を作るのが楽しみに思えてくるのであった。
「殿下、この度の設計に参加させて頂き、恐悦至極にございます」
「シルヴァーベルヒ、期待しているぞ、卿の持てる限りの力を持って今までにない建築を行ってくれ」
「はっ、この才能を殿下に捧げましょう」
シルヴァーベルヒらしくない挨拶をしてしまうが、それだけ自分の才能を認めてくれた、テレーゼに好感を持っているのである。
「殿下、私ごときの絵画を見初めて頂きありがたき幸せ」
「メックリンガー、会うのは初めてじゃな、ケルトリングからは話は聞いておるぞ。先年の帰還兵送還によくぞ尽くしてくれた、兵達に代わり礼を申すぞ」
メックリンガーは、その言葉に驚きを隠せない。
「殿下、勿体のうございます。小官は手伝いをしただけでございます」
「メックリンガー、良いのじゃ。多くの民を救う手助けをしてくれたのは代わり有るまい」
「殿下・・」
メックリンガーは、少し涙ぐむ。
「さらに、画家としてだけではなく、散文詩人、ピアノ演奏も素晴らしいそうじゃな、是非今度聞かせて欲しいものじゃ。演奏会が有れば招待して欲しいの」
「殿下、喜んでお誘い致します」
メックリンガーはにこやかに答える。
「楽しみにしているぞ」
「はっ」
メックリンガーは、殿下が一介の士官に過ぎない自分を此処まで知っていてくれて、期待してくれることに、敬愛と忠誠を感じていた。そして芸術家の血が騒ぎ殿下の御成長を是非とも見て見たいと思っていた。
「殿下、この度の設計に参加させて頂き、恐悦至極にございます」
「グルック、期待しているぞ、卿の持てる限りの力を持って今までにない建築を行ってくれ」
「はっ、誠心誠意尽くす所存です」
グルックも殿下の直接のお言葉
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