宇宙戦艦ヤマト異伝
連合宇宙軍
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「よぉし、6ダースだ!
副長、次を探せ!!」
コワルスキー大佐は、上機嫌で言い放った。
探すまでもなく前方視界スクリーンは、無限艦隊の大群に埋め尽くされている。
次を探せ、は言葉の綾だ。
意訳すれば『俺は戦闘指揮に没頭する、攻撃目標の選定は任せた』と言う所か。
重巡洋艦『コルドバ』艦長コワルスキー大佐は、最強とも噂される手練れだ。
短気な所が玉に瑕だが、宇宙戦の際には誰よりも頼りになる。
長年コンビを組んで来た副長は、その辺りの呼吸を充分に飲み込んでいた。
重巡洋艦の主砲6門、50センチ熱線砲≪ブラスター≫は休む間も無く連射を続行。
発射された火球は的確に標的を捉え、艦体を灼く。
無人艦隊に向け放たれる1斉射毎に、6個の爆発円が発生。
既に12斉射分、72隻の大型戦闘艦が姿を消した。
全長15メートルの宇宙戦闘機2機も『コルドバ』から離れず、敵艦を霍乱。
緑色のエネルギー吸収力場は許容量が小さいが、短時間の砲撃には充分耐え得る。
断続的に発射される低出力レーザー光線はパルス・レーザー同様、小規模な次元振動波を発生。
共鳴効果を発生させ分子振動を引き起こし、分子破壊砲と同様の威力を発揮する。
照射時間の微調整に拠り条件が合致すれば惑星を崩壊させる分子爆弾と同様、崩壊砲と化す。
熱線砲や電磁砲に比べエネルギー量は遙かに小さいが、敵小型艦の攻撃には効果的だ。
全長400メートル級の重巡洋艦が機敏な操作に反応し、弾かれた様に艦体を翻す。
無限艦隊の集中砲火が一瞬前まで『コルドバ』の占めていた空間を貫き、空しく流れ去る。
宇宙エネルギーを吸収し駆動源とする新型主推進機関、重力場推進機構が瞬間的に全力を発揮。
以前のロケット機関とは比較を絶する高加速度を維持し、混沌の坩堝と化した戦場を駆け巡る。
コワルスキー大佐指揮の『コルドバ』は怖れる事無く、無限艦隊の群がる密集地帯に突進。
熾烈な戦闘の真っ只中へ切れ込み青白い火球、断続的な細い光線が数多の敵艦を消滅させた。
重巡洋艦『コルドバ』艦長コワルスキー大佐と1、2を争う連合宇宙軍屈指の切札≪エース≫。
軽巡洋艦『アルタミラ』艦長トミヤマ中佐は、ライバルと対照的な戦い振りを見せた。
敵は、無限艦隊。
決着など付けられる筈が無く、持久戦となる事は避けられない。
戦果≪スコア≫など、どうでも良い。
敵艦の多数撃破は狙わず、味方の援護に徹する。
熟練宇宙艦乗りは容易に補充は出来ず、何物にも代え難い貴重な存在であるのだ。
不利な態勢の味方を敵艦から逃がす事に徹し、全体的な戦力比の悪化を極力阻止する。
高速を誇る軽巡洋艦『アル
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ