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万華鏡の連鎖
宇宙戦艦ヤマト異伝
連合宇宙軍
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タミラ』は軽快に、錯綜する戦場を駆け抜けた。
 窮地に追い込まれた味方艦、200メートル級の駆逐艦を発見。

 機敏に転針を行い、迅速に接近し介入。
 被弾損傷した駆逐艦は20センチ熱線砲が使用不能に陥り、運動性も低下。

 低出力パルス・レーザーのみでは、牽制の効果も薄い。
 回避動作も緩慢であり、数秒後には致命傷を負いかねない。


 直ちに、エネルギー奪取弾が味方駆逐艦の前面に投射された。
 敵艦の砲撃を吸収する楯≪シールド≫となり、止めとなる筈であった攻撃が無効化される。

 30センチ熱線砲≪ブラスター≫発射の直後、青白い火球が瞬間移動≪テレポート≫。
 爆発を避け、水星方面に逃れる駆逐艦を追う敵艦は無い。


 トミヤマ中佐は戦場を見渡し、危機に瀕する味方を探した。
 護衛艦と切り離され、孤立し集中砲撃を浴びる戦闘艇母艦を発見。
 重力場推進機関を全開し、損傷艦の後方へ割り込む。

 膨大な攻撃波を肩代わりした為、急激な負荷の増大を引き受けたエネルギー吸収力場が輝く。
 緑玉(エメラルド)色から鮮やかな青空(コバルト・ブルー)、眩い青紫(すみれ)色に変化。
 攻撃負荷を処理し切れず、エネルギー吸収力場が崩壊する。
 艦体装甲(アーマー)と言うべき艦殻外部の鏡面塗装、エネルギー反射防御壁が露出。
 反射衛星砲ならぬ極低温の罠、銀色の鏡が敵艦の発射孔に破壊光線を撥ね返す。

 30センチ熱線砲≪ブラスター≫と超電磁直撃砲が唸り、火球と電撃が瞬間移動。
 集中砲火を浴びせる敵艦の傍に現れ、同時に複数の爆発が生じる。
 小口径の破壊光線砲が断続的に閃き、至近距離(クロス・レンジ)で敵艦の破壊光線と衝突。
 次元歪曲力場(バリヤー)が形成され、防護弾幕(ディフェンス・ゾーン)となった。

 エネルギー奪取弾が虚空を翔け、軽巡洋艦の周辺で破壊光線を無力化。
 トミヤマ中佐の卓越した操艦術、妙技が発揮され戦闘艇母艦『ダウラギリ』は窮地を逃れた。
 軽巡洋艦『アルタミラ』は無限艦隊の追撃を振り切り、要援護味方艦艇の捜索を再開。
 二重反転旋廻(ダブル・クライフ・ターン)を披露し、包囲網を崩して集中砲火から離脱する。


 宇宙戦闘艇の操縦士(パイロット)兼、艇長(キャプテン)
 テン・ルー大尉は副表示枠(サブ・ウィンドゥ)を閉じ、安堵の溜息を吐いた。
 本来であれば母艦が爆発四散する危機であっても、駆け付ける事は許されないが。
 蛍光塗料で≪トミー≫と描いた艦に援護され、母艦『ダウラギリ』は致命傷を免れた模様だ。
 戦場の借りは戦場で返す、の鉄則(ルール)に例外は無い。
 今度は、俺が味方を救う番だ。

「艇長、味方が危ない!」
 戦闘艇の|航法
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