第四十四話 二人でお外に出てその五
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「おみちについてもよく進めるわよ」
「僕真面目ですよ」
「何処がよ、そんなことばかり言って」
「そうですか」
「いつもふざけて」
「まあまあ。それで商店街ですけれど」
また自分のペースで話を言ってきました。
「長いですね」
「そうでしょ、もう一つの方もそうでね」
何だかんだで阿波野君に応えました、何かどうにもこの子のペースにはいつも巻き込まれてます。
「長くて色々なお店があって」
「賑わってるんですね」
「そうなの、いいところでしょ」
「はい、中にいて落ち着きますね」
阿波野君は笑って私に言ってきました。
「賑やかな商店街にいますと」
「落ち着くの?」
「商店街の雰囲気好きなんで」
「だからなの」
「はい、中にいると落ち着きます」
賑やかな商店街の中にいると、というのです。
「本当に」
「何か変わってるわね、けれどね」
「けれど?」
「商店街好きならね」
それならです、私も商店街特に八条町の二つの商店街は好きなのでこう言いました。
「私も嬉しいわ」
「あっ、先輩もですか」
「ええ、どんどん案内させてもらうわね」
「宜しくお願いしますね」
「こちらこそね」
こうして私は今二人で一緒にいる商店街を隅から隅まで紹介しました、昔ながらの趣があると言われてる場所でしかもかなり賑やかです。
だからでしょうか、阿波野君はまたこんなことを言いました。
「ずっといたいですね」
「ここに?」
「はい、八条町に」
「そこまで気に入ってくれたのね」
「前から何度か来ていて好きなんです」
「それで今商店街を観てなの」
「余計に思いました」
そうだというのです。
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