epilogue in 2314 ?
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らに不安定にさせた。これ以降は軍事的な介入が必要になる。きみはそれを理解できるか」
「もちろん理解しています。しかし、もう一度チャンスをいただけませんか。各国にそれぞれ調査班を編成し、両国対話に繋げます。ここで和解さえすれば、バックにつく2軍も手を引くはずです」
「それは希望論だ。必ずそうなるとは限らない。各国を宥めても、大元の旧人類軍やイノベイター軍がまた上手く丸め込むかもしれない」
「そのときは、彼らにも接触を図り、解決策を共に見つける必要があります」
チャウメイ少佐はそこで初めて視線を外した。折れてくれたのか、と一瞬思ったがそんなことはなかった。
「少尉。きみはそんな楽観的な見方で両国の平和が得られるとでも思っているのか?」
「楽観的かもしれません。しかし、自分はロックウェル中佐と同じく、長い時間をかけて分かり合うことができると考えています」
「それができるなら、私だってその道を選ぶ。……世界はそんなに簡単じゃないんだ」
俺はチャウメイ少佐の重みある言葉に口を噤んでしまう。少佐は続けて言った。
「きみの意見は命令を変更するに値しなかった。話は終わりだ」
「しかし……」
「上官の命令に従えないなら、軍人失格だ」
「……はッ。失礼しました」
俺は回れ右をして後ろに下がり、自動ドアをくぐる。そのとき、チャウメイ少佐から声をかけられた。
「少尉。ついでだ、きみたち第5分隊への指示を渡す」
俺が振り返ると、すぐ近くにチャウメイ少佐が立っていた。俺は驚いて思わず後ずさる。
チャウメイ少佐がファイルを差し出してくる。俺はそれを両手で受け取って脇に収め、片手で敬礼する。
「はッ。受領しました。任務を遂行します」
チャウメイ少佐は小さく頷き、返礼する。
結局、少佐の堅物な顔は最後まで変わることなく、俺の上申も粉々に砕けてしまった。
続
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