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提督はBarにいる。
迷子は不幸な幸運艦?
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州方面からの艦隊が来られるようになった所へ、降って沸いた大規模作戦。それも激戦と名高いレイテ沖海戦らしい。日本海軍だけでは厳しかろうと、欧州方面からもドイツとイギリスが支援艦隊を送る事を表明。それに負けじとロシア・アメリカ両国も支援の為に艦娘を派遣すると表明。さながらレイテ湾が艦娘の万国博覧会状態になっていた。まぁ、本当の所は日本の支援ではなく、各国に自分の国の艦娘の力を見せつける為だろうが。

「しかもロシアとイギリスは虎の子の新型駆逐艦まで派遣してるらしいですよ?」

「ほぅ?建造されたばかりで使い物になるのか」

「さぁ?そこまでは……最低限の訓練はしていると思いますが」

「もしかして、迷子になってたりしてな!」

「まさかぁ。流石にそれは無いでしょう!」

「すまん、自分で言ってて流石にそれは無ぇと思ったわ」

「ですよねぇw」

「「あははははははははは!」」

 そう。そんな事を冗談だと思っていた時期が、俺にもあった。作戦完了の通信があってから3日後、金剛達が帰投するまでは。





「あ〜……金剛?出来れば説明をして貰いたいんだが?」

 帰還の報告にやって来た金剛の方を見ながら、俺はズキズキといたら気がするこめかみを抑えながら、そう尋ねた。何せ、金剛の背後にはスカートをガッチリ掴んで離さない、ハニーブロンドの少女がいたのだから。

 ハニーブロンドの髪に、スカイブルーの瞳。顔立ちは整っており、育てばかなりの美人になるだろうと予測できる。しかし今はそのスカイブルーの瞳一杯に涙を溜め、下唇を噛んでグッと堪えているような顔をしている。泣くのを堪えているって感じだな、コリャ。服装はイギリス水兵の制服のデザインに似ている。強面の俺を警戒しているのか、金剛の身体を壁にして顔を少しだけ覗かせている。

「帰投する最中、救難信号をキャッチしてな。そちらに向かって見たらこの娘がおったのだよ、相棒」

 少し困惑気味の金剛に替わって、武蔵が口を開く。

「ん〜、多分だけどイギリスの艦娘だと思うネdarling」

「そうですね、私達の支援に来てくれたのはイギリス海軍の皆さんでした」

 金剛の説明に補足する形で榛名も口を開く。どうやらサマール沖に巣食っていた姫級の撃沈を成し遂げた時に来援したのはウォースパイト率いるイギリス海軍の艦隊だったとか。段々と見えてきたな。恐らくだが、この娘は金剛の言う通りイギリス海軍の艦娘で間違いないだろう。背格好から見て恐らくは駆逐艦ーー先日大淀と話していた新型駆逐艦だろう。帰り道で他の艦娘とはぐれちまったんだろうな。俺はしゃがんで少女に目線を合わせる(小さく「ヒッ」と悲鳴をあげられたが)と、

『あ〜、お嬢さん。済まないが名前を教えて貰えるかな?』

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