銀河動乱
主席の涙
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ラッシャー》の冗談だ。
分かった、引き受ける」
『銀河連合主席が嘆願に現れ、泣いて頼んだ』
受けを狙って話を盛った張本人、ガンビーノが笑う。
リーダーは記憶を消し、喧嘩っ早い長身の優男に冗句で応じた。
「触らぬ神に祟り無し、と言いたい処だがな。
今回の仕事は銀河連合主席、直々の御声掛りだ。
本来なら雇い主の意図を汲む所なんだが、こんな物は聴かせられん。
御守り役の俺達まで、肩身が狭くなる。
アトラスの封印記録《ブラック・ボックス》もバラして、加工しとこう。
ガンビーノ、頼むぞ。
消去する前に複製《バックアップ》を作成して、丁重に贈呈する。
こんな放送を宇宙全体に流されるのは御免蒙る、大迷惑だと伝言《メッセージ》を添えてな」
老練な先輩と経験の浅い後輩の顔が綻び、チームリーダーの決断に賛同。
全員の思考を代弁した操縦士、長身の優男の横顔も緩む。
バクテリアン軍の第一次防衛線、人工太陽の密集地帯を銀色の宇宙船は苦も無く疾走。
クラッシャー・フォーメーション、障害物回避の魔術を封印した儘で優雅に駆け抜けた。
対照的に後続の宇宙船、ラブリーエンゼルは一直線に狭間を突破。
草原を疾走する野獣、豹の様に獰猛な機動で前に出る。
火竜《ファイアー・ドラゴン》の群れ、火球の嵐も強引に撃ち砕く。
強引過ぎる軌道で最短距離を突き進み、人工太陽の密集宙域を抜ける最強の敵が現れた。
7方向に拡散する青い炎、操気弾を操る超巨大な猛禽類。
科学忍者隊《割鏡人》の代名詞、火の鳥《フェニックス》が侵入者を睨む。
巨大な黄金色の翼が翻り、鋭い嘴から高熱の塊を撃ち捲ったが。
真紅の炎を纏う勇猛な鷹も数秒後に砕け散り、星の塵と化した。
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