銀河動乱
主席の涙
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
宇宙船アトラスが実体化。
感心な事に出しゃばらず、あたし達のお船を援護《フォロー》の態勢に入る。
よしよし、わかってんじゃない。
主役は、あ・た・し。
ラブリーエンゼル船長《キャプテン》、大宇宙の守護者《ガーディアン》様よ!
奴隷だね、とは言わないけど。
クラッシャーは竜戦士に服従する手下、キンメリア大陸の山賊達みたいなもんね。
「加速140パーセント、ぶっ飛ぶわよ!」
「ひいぃっ!」
ユリの悲鳴は、完璧に無視。
エンジンを空爆発させ、目一杯パワーを引き出す。
慣性中和機構の限界を超え、眼に見えない《パワー》が身体を押し潰す。
構造材が悲鳴を挙げ、とろい相棒は操縦席から放り出された。
黒い破壊者《ブラック・デストロイヤー》、クァールのムギが咄嗟に受け止める。
ユリは操縦席に這い戻り、キンキン声で喚いた。
「乱暴はやめてよ、顔に傷でも付いたらどーすんの!
そんな操縦してっから、ダーティペアなんて異名《あだな》が付くんじゃない!!
みんな、ケイのせいなんだかんね!
カルシウム足りないんじゃないの、カリウム剤でも飲みなさいよ!!」
こいつ、ムギのエサを銀河一の美人に喰わす気か。
こう見えてもあたしは味にうるさいのよ、立派な美食家《グルメ》なんだかんね!
「うっさい、お黙り!
ぼうっとしてないで、さっさと撃ち捲くんな!!
そっち、ご覧!
クラッシャー達は、とっくに獲物を狩ってるのよ!!」
闘いの女神アテナ、じゃなくて可憐な天使《ラブリーエンゼル》。
うちらのお船だって、アトラス以上の戦闘能力を備えてるんだ。
優美な垂直型宇宙船が身を翻し、小型機の編隊を襲う。
数秒後に敵は姿を消し、宇宙の塵と化した。
アトラスの操縦席に繋がった通信回線は閉ざされておらず、女性2人の声を完璧に中継。
華々しい罵詈雑言の応酬が克明に再現され、録音装置《レコーダー》に刻み込まれる。
「…まるで、猪みてーな姐ちゃん達だな。
どうしやす、おやっさん?
通信記録は細大漏らさず提出、って契約ですがね。
銀河連合主席が聞けば、WWWAも消えて無くなりますぜ」
ダンの脳裏に銀河連合事務局、政治畑に進んだ親友の顔が映った。
「冗談じゃないぜ、俺に監視役を押し付ける気か?」
「残念だが、実績が証明している。
伝説の惑星、グラディウス壊滅は避けなければならん。
多元宇宙全域に噂が蔓延り、銀河連合主席の辞任で済む話じゃない。
中央コンピュータ、有識者会議の結論も一致した。
せめて惑星ドルロイ規模、再建可能な範囲に留めねばならんのだ。
他の者で間に合うのなら、なぜ、私が此処に来たのかね?」
「えらい言い草だな、まるで|俺達《ク
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ