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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv62 浄化の結界
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だけではない。奴の身体自体も2倍以上になっていた。しかもその上、奴の全身は、赤く輝くオーラで包まれており、それがとんでもない魔力の波動を放っているのである。
 先程の姿の時とは、比べモノにならない魔力の強さであった。
 俺は今の奴を見ただけで、身体を小刻みに震わせ、金縛りにあったような感じになっていた。
 他の皆も俺と同様、信じられないモノを見るかのように、大きく目を見開き、プルプルと身体を震わせていた。
 アヴェル王子も何かを言おうと口を動かしていたが、声になっていなかった。
 それはウォーレンさんやシャールさんにしても同様だ。
 恐らく、皆も本能で悟っているのだろう。コイツがとんでもない化け物だという事を……。
(な、なんだよ、コイツの魔力は……桁違いじゃないかッ。コイツはヤバい……さっきよりも遥かにとんでもない魔力を感じるぞ……もう絶望しか感じない)
 アシュレイアの目が赤く輝く。
【フフフッ……これが私の本来の姿だ。容赦はせん……徹底的にやらせてもらう】
 俺達を全力で叩き潰すつもりのようだ。
 獅子は兎を捕らえるにも全力を尽くす、を実行するのだろう。
 俺はそこで奴に言った。
「アシュレイア……アンタは強すぎる。ハッキリ言って、今の俺達では相手にすらならないだろう。いやそれどころか、この魔物達ですら、俺達は太刀打ちできない。それは素直に認めるよ」
 アシュレイアは俺を睨みつける。
【その口ぶり……油断ならぬな。この状況をひっくり返す策があるというのか? ヴィゴールの時とは違うぞ】
「……策はある」
 俺は右手に持つ光の杖の後端部を床に着けた。
「上手くいくかどうかは、俺もわからない。アンタはおろか、そこにいるアークデーモンやギガンテス、キングヒドラにすら、効果があるのかどうかもわからない。でも……俺はこれを計画した者の言葉を信じて、それを実行するよ」
 俺はあえて魔物の名を口にした。
 役目をこなす隙を作る為である。
 アシュレイアは今の言葉を聞き、眉根を寄せた。
【貴様……なぜ、この者達の種族名を知っている! 一体、何者だ!】
 ラーのオッサンは最後の打ち合わせで、こう言っていた。

 ―― ヴァロム殿がリュビストの結界を起動した後、お主は光の杖の後端をどこでもいいから床に当てるのだ。そして、先程教えた稼働呪文を唱えよ。さすれば浄化の結界は、本来の働きを取り戻す ――

 俺は与えられた役目をこなすことにした。
【リューズ・メイティナ・ノウン・リュビスト】
 呪文を唱えた、次の瞬間!
 俺の右腕に装備した黄金の腕輪が淡い光を放ち、増幅された大きな魔力が光の杖に注がれたのである。
 続いて、光の杖の先端部にある水色の宝石から青白い光線が放たれた。
 と、その直後、この空間全体が黄金色に
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