Lv62 浄化の結界
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するとアシュレイアは、そこでまた印を組み、奇妙な呪文を唱えたのであった。
【ヨーディ・ヨーチ・ベルモ・シガ・ワール! いでよ、我が下僕達よ!】
と、次の瞬間、辺りに漂う深紫色の煙が怪しく輝き、雷鳴のような轟音と共に、幾つもの黒い渦がアシュレイアの前に出現したのである。
それはまるで、鳴門の渦潮の如く、螺旋を描いていた。
黒い渦は次第に大きくなってゆき、そこから黒煙が立ち昇る。
そして、黒煙の中から大きな何かが、瞬間移動でもしてきたかのようにフッと現れたのである。
黒煙はそこで霧散し、その正体が露になった。
(コ、コイツ等は……)
渦から現れたのは魔物であった。
だが、俺はその魔物を見た事により、愕然とした気分になったのである。
なぜなら、そこに現れたのは、ゲームでもラストで現れる強力な魔物達だったからだ。
緑色の肌をした1つ目の巨人・ギガンテス。5つの頭を持ち、紫色の鱗に覆われた巨竜・キングヒドラ。三つ又の槍を持ち、牛のような顔をしたピンク色の巨大な悪魔・アークデーモン。それらが複数体現れたのである。
(あぁ……とうとう、こんなのが出て来た……ハッキリ言って、今の俺達のレベルでは太刀打ちできる魔物ではないぞ。ほ、本当に大丈夫なんだろうな……もうこうなったら、ラーのオッサンを信じてやるしかない)
そこでアシュレイアは俺に視線を向け、歪んだ笑みをこぼした。
【フッ……アヴェラス城より、我が精鋭をこちらに召喚した。この者達だけでも十分、其方達を始末する事ができるが……念には念を入れておくとしよう。ヨーディ……ヨーダ・ラーカ……】
アシュレイアは呪文を唱えながら、また印を幾つか組み始める。
と、その直後、またもや床が怪しく輝き、今度は奴の足元に黒い渦が発生したのである。
(な、なんだ一体……奴の足元に渦がある。また強力な魔物を召喚するのか……)
黒い渦から、先程と同じように黒煙が立ち昇り、奴の身体を覆っていった。
すると程なくして、禍々しい邪気と共に轟音が鳴り響き、物凄い閃光が放たれたのである。
俺は、そのあまりの眩しさに、思わず目を閉じた。
「キャァァ」
「なんだ、この光は! グッ」
眩い光は徐々に消えてゆく。
辺りには不気味な静寂と共に、今まで以上に邪悪な気配が漂っていた。
俺は恐る恐るアシュレイアの方へと視線を向ける。
(なッ!?)
そして、俺は奴の姿に恐怖したのである。
そこには、6つの手を持つアシュレイアが佇んでいた。
奴の手は阿修羅のように、左右に3本づつ生えている。が、全てが同じ手ではない。
人間のような手や竜のように鱗がついた手、そして、堕天使を思わせる大きな黒い翼の手といったモノが生えているのである。
変化はそれ
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