Lv62 浄化の結界
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とは、ラミナスを滅ぼしたのも、その中の誰かって事かい?」
【フッ、その通りだ。言っておくが、もうこの世界の半分は、我等の手に落ちている。そして、ここを含め、他の地も、あと少しで我等の支配域となろう。……私の言っている意味が分かるな。もうこの世界は、我等のモノになりつつあるのだよ。遅かれ早かれ、お前達は負けるのだ。我等の元に来るのが、賢明な判断だと思うがね】
「なるほどね……じゃあ、もう1つ聞いておこう。アンタは自らの手勢で、この国を支配しようとしているようだが、他の大公達とは連携はしないのかい?」
【連携だと……馬鹿馬鹿しい。なぜそんな事をせねばならぬのだ。我等は我等のやり方で、この地に侵攻し、そして、支配するだけよ】
アシュレイアはそう言って、少し憮然とした表情を浮かべた。
少々気分を害したようだ。が……この様子を見る限り、そこまでの仲間意識はないのかもしれない。
「なるほどね。どうやら、他の大公達とは、それほど仲が良いというわけではなさそうだ。ついでだから、これも訊いておこう。……魔の世界には、アンタ達大公以上に大きな存在はいるのかい?」
するとアシュレイアは、目を細め、真顔になったのである。
【……何が言いたい】
「ただ思った事を口にしたまでだよ。それと……その口ぶりだと、どうやらいるみたいだね。ちなみに、その大公以上の存在は何て呼ばれてんだい?」
【貴様……】
アシュレイアは射抜くような鋭い視線を俺に投げかけていた。
どうやら、地雷を踏んだようだ。
俺達の間に、暫し無言の時間が過ぎてゆく。
程なくしてアシュレイアは、不気味に微笑んだ。
【フッフッフッ、なるほどな。そうやって交渉するフリをしながら、我等の情報を引き出すつもりか。愚かな……お前は今の状況を分かっておらぬ。身体も満足に動かせないこの状況で、お前達に何が出来るというのだ。フッ……まぁいい。これ以上の交渉は終わりだ。答えを聞こうか……コータロー】
「まぁ確かに、俺達は圧倒的不利な状況だ。このまま戦ったところで、俺達は成す術無く、やられてしまうだろう。生き延びる為には、寝返った方が良いのかもしれない」
皆から非難の声が上がる。
「コータローさん!」
「なんだと、コータロー!」
「裏切るつもりか、コータローさん!」
そんな中、ラーのオッサンの囁く声が聞こえてきたのである。
「コータロー……来たぞ」
と、そこで、アシュレイアが確認してきた。
【ほう……という事は、こちらに来るという事か?】
俺は某漫画家の如く、交渉を打ち切ることにした。
「アンタと仲間になるのも悪くない選択のようだ……だが、断る! 俺は魔物に魂を売り渡してまで、生き延びようとは思わないんでね」
【フッ……交渉決裂だな。ならば仕方ない。終わりにするとしよう】
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