ペルソナ3
1987話
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それこそ、命を懸けた戦いをするかのように。
そんな死神を前に、俺は空間倉庫からゲイ・ボルグを取り出しながら話し掛ける。
「思えばお前との付き合いも、何気に結構長いんだよな」
「……」
そう声を掛けるも、死神から返ってきたのは無言のみ。
死神が何を考えているのかは、俺にも分からない。分からないが……それでも、意図していることだけは分かった。
即ち、今日は全力で行くと。
「お前が何を考えてこうして俺の前に姿を現したのかは、分からない。それこそ、お互いの力の差はもう十分に理解している筈だしな」
そう告げた瞬間、死神の身体が小さくだが、確実に動いた。
今の俺の言葉に、何か思うところがあったのだろう。それとも、単純に悔しかったのか。
ともあれ、俺の戦闘準備が整ったと判断したのか、死神はその手にある拳銃を……いや、拳銃と呼ぶには相応しくないだろう銃身の長さを持つその武器の銃口をこちらに向けてきた。
俺もゲイ・ボルグの穂先を死神に向け……やがて、どちらからともなく戦闘開始だと悟り、動き出す。
死神が持つ拳銃の重い発砲音がしたかと思えば、ほぼ同時に周囲に甲高い金属音が響き渡る。
その金属音は、俺が振るったゲイ・ボルグの穂先が死神の放った弾丸を斬った音。
普通なら到底無理な行為だが、ぶっちゃけネギま世界の人間ならこの程度出来る奴は幾らでも存在している。
「マハラギダイン」
その言葉と共に、魔法が発動され周囲に大量の炎が生み出される。
燃える天空程ではないにしろ、かなりの威力を持つ炎の魔法。
これも、普通であれば何も出来ずに炎に包まれ、燃やしつくされてしまうのだろうが……
「それが俺に通じると思ってるのか!? 俺との戦闘経験を活かしているとは、とても思えないな!」
混沌精霊……その中でも、特に炎の属性の強い俺は、マハラギダインで生み出された炎の中を、何でもないかのように歩いて死神のいる方に向かう。
死神は今まで俺との戦闘でピンチになれば撤退しながら、こっちの情報を集めていた筈だ。
だが、その割にはそれを活かしている様子がない。
「炎の攻撃なら、これくらいはやって貰わないとな」
呟き、指を鳴らすと、俺の指が白炎となり、獅子と鷲の炎獣をそれぞれ生み出す。
本来ならもっと多くの炎獣を生み出せるのだが、ここは113階の広間っぽい場所ではあっても、それだけの炎獣が自由に暴れるだけの空間的余裕がない。
……一瞬、本当に一瞬だったが、それこそこの空間を埋めつくす程の炎獣を生み出してやろうかと思わないでもなかったが、死神が決死の覚悟――恐らくだが――で来ている以上、そういう真似をするのはどうかと思い、普通に戦いを挑む事にした。
「刹那五月雨撃」
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