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相談役毒蛙の日常
十七日目
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だけでメッセージを送れるらしい。

「ん?誰にメッセージを送ったんだトード?」

「テルキスにな。にしてもコレすごいな…一発でカオスブレイブズの協力者にメッセージ送れる」

「うむ、コレで少しは私も楽が出来そうだ」

「楽?」

「遠くから指示を出せれば楽だろう?」

まぁ、確かにそうだな。

「うーむ…俺もアリシャになんかメッセージ送ろうかな…」

先と同じ画面を開き、アリシャにメッセージを送る。

『よう、アリシャ。久しぶり。領主は忙しいか?
今現在俺の目の前に領主約一名が絶賛サボり中だ。
俺氏スイルベーンなう』

送信…

ふと、サクヤの後方に高速で飛翔する人影が見えた。

「サクヤ」

「なんだ?」

「さっきテルキスにメール送ったって言っただろ」

「ああ」

「本当は違うんだわ」

「なに?」

俺は可視化したウィンドウをサクヤに見せた。

刹那、サクヤは翅を広げた。

しかし…

ガシッ!

「サクヤ様…」

「あ…」

さっきのシルフ幹部に肩を掴まれた。

「さぁ!戻りますぞ!」

「嫌だぁ!もっと外に居たいー!」

「仕事が溜まってるんです!貴方のシギルが無いと決算が出来ないんですから!」

「いーやーだー!」

「トード、感謝する。さっきから領主館でこの人を探しててな…」

「じゃぁ貸し一つで」

「お前らしいな」

「そうか?」

「では失礼させて貰う」

と言ってアイツは踵を返した。

「トードの裏切者ー!」

と言いながらサクヤはアイツに引っ張られて行った。

「翡翠の地
領主の嘆きが
聞こえくる
今日も今日とて
妖精郷は
平和なり」

「いらん和歌を吟うなー!」

えー…いいじゃん別に…

やがてサクヤも諦めたようで領主館に…

あ、逃げた。

サクヤは領主館とは反対の方向へと逃げていき、鬼ごっこが始まった。

「うん、俺は何も見ていない」

そう言って再びスタートポイントに目を向ける。

すると…

そこから一人の女の子が出てきた。

身長は150センチくらいだろうか。

髪型は垂れた犬耳のような癖っ毛。

そして翡翠のような瞳。

だけど、その瞳には見覚えがあった。

「おまえ…葵か?」

「そう言うお前は灯俊か?」

俺のアバターは幸か不幸かリアルとほぼ同じだ。

違うのは髪と眼の色くらい。

「ああ、はじめまして。カオスブレイブズギルドマスター付き相談役ポイズン・トードだ」

「オレはカトラス」

カトラス?なぜに曲刀?

まぁいいか。

「ひと…あぁ、いや、トード」


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