風紀委員会
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迎だ」
「二ーDの沢木 碧だ。
君たちを歓迎するよ、司波くん不知火くん」
そういうと沢木は達也の手を握った。達也も当然握り返す。しかし何故か、その後手が離れない。というより、離せない。
「それと、くれぐれも下の名前で呼ばないでくれ給えよ」
手を締め付けながら言うほどだから、よっぽど下の名前で呼ばれたくない理由があるのだろう。
そもそも達也には先輩を下の名前で呼ぶ習慣などない。
了解しました、と言ってから軽く手を捻り握られた手を解く。
それを見て驚いたような顔をしたのは、沢木本人ではなく鋼太郎の方だった。
「ほう。大したもんじゃねぇか。沢木の握力は百キロ近くあるってのに」
「魔法師の体力じゃありませんね……」
これに呆れたような声を出したのは、達也ではなく深紅の方だ。
「ははっ。違いねぇ」
深紅と達也は笑い声をあげる鋼太郎や、その隣で鋼太郎と同じく笑みを浮かべている沢木を見て、この人たちとはうまくやっていけそうだと思った。
??????
「なぜお前たちがここにいる?!」
再会の第一声はそれだった。
「森崎くん。いきなりそれは流石に非常識じゃないかな?この間言ったはずよ?精神面で成長しなさい、と」
「黙れ!!」
完全にバカにした口調の深紅に、さらにヒートアップしかけた−−というかもうほとんどしていた−−森崎が声を荒げた。
「喧しいぞ、新入り」
しかし摩利に人睨みされ、すくみあがる。
「ここは風紀委員会の本部だ。つまり、ここには風紀委員しかいない。その程度のことは弁えたまえ。
「も、申し訳ありません!」
森崎は可哀想なくらい真っ青になり席に着いた。
深紅も達也も、それに何か言うほど面倒な性格はしていない。この場はそれで収まった。
ちなみに、深紅と達也は隣り合って座り、その正面には森崎が座っている。
一年生である彼らが一番下っ端なのだから、当然の配置だろう。
その後何人か上級生が入ってきて、部屋の人数がちょうど十人になったところで摩利が立ち上がった。
「さて、そのままで聞いてくれ。またあの馬鹿騒ぎの時期が来た。昨年はその騒ぎを更に大きくさせるような輩もいたが、今年はそんなことがないように」
摩利のこの言葉に、ほんの数名が首をすくめた。身に覚えがあるのだろう。
「しかし今年は幸いなことに、新入りの補充が間に合った。紹介しよう……立て」
そう言われて、深紅と達也、森崎が立ち上がった。
「一年A組森崎 駿と一年E組司波達也、不知火深紅だ。今日から早速パトロールに加わってもらう」
「役に立つんですか」
一人の上級生から上がったこの声は、表向き三人に向けられたものだったが、目線は深紅と達也の方に向いていた。
「安心しろ。三人とも使えるやつだ。司波の腕前はこの目で見てるし、森崎のデバイス操作
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