風紀委員会
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二人の溜息交じりの言葉に、摩利は一層人の悪い笑みを浮かべたのだった。
??????
「ハヨーッス」
「おはようございますッ!」
片付けも一段落しそろそろ引き上げようかという話になった時に、やけに威勢のいい声が風紀委員室に響いた。
「おっ、姐さんいらしてたんですかい?」
「本日の巡回、問題ありませんッ!」
摩利のことを姐さんと呼んだのはゴツい男。もう一人の男は見た目は普通なのだが、とにかく威勢がいい。
「この部屋……姐さんが片付けたんですかい?」
ゴツい男の方が、綺麗に整頓された部屋を見て驚いたようにそう言った瞬間、スパァンと小気味の良い音とともに、その男がうずくまった。
摩利の手には、いつの間にか固く丸められたノートが握られている。
「まったくいつもいつも……姐さんと呼ぶなと言っているだろうが!
鋼太郎、お前の耳と頭は飾り物か!!」
「イッテェ。そうぽんぽん叩かないでくだせぇよ、あ……いえ、委員長」
再び姐さんと言いそうになり、摩利に鋭く睨みつけられた鋼太郎は慌てて呼び名を訂正する。
「ところでそいつらは、新入りですかい?」
「こいつらはウチと生徒会の推薦枠で入ることになった司波達也と、不知火深紅だ」
「へぇ、文無しですかい」
「辰巳先輩、その言葉は禁止用語に抵触する恐れがあります!この場合は、ニ科生と呼ぶべきかと!」
「二人とも、そんな両県だと足元をすくわれるぞ?
ここだけの話だが、たった今服部が司波にすくわれたばかりだ」
摩利が面白そうな笑みとともに吐き出した言葉に、男二人の表情に真剣味が増した。
「それは、服部に勝ったということですかい?」
「あぁ。正式な試合でな」
恐る恐るというように訊ねて来た鋼太郎に、摩利が大きく頷く。
「なんと!入学以来負け知らずの服部が、新入生に敗れたと?!」
「声が大きいぞ沢木。ここだけの話と言っただろう。
それと、不知火は術式解体が使えるらしい」
「術式解体!?」
再び衝撃的なことをさらりと言い放った摩利に、さらに目を丸くする二人。
深紅と達也は驚いたような視線を二人から向けられ、どう反応すれば良いかに困る。
そして、
「それは心強え」
「逸材ですね、委員長」
二人は思わず拍子抜けするほどあっさりと、深紅たちを見る目を変えた。
「意外だろ?」
呆然としている深紅たちに、摩利からいきなり話しかけられ、咄嗟に何を言われたのかわからなかった。
「ここでは一科二科にかかわらず、きちんと実力で評価される。
風紀委員会は君たちにとって居心地の悪い場所でもないと思うよ」
摩利の言葉に、確かに意外感を覚えた深紅たちだが、摩利が上に立つ組織だったらこれは普通だろうと納得する。
「三ーCの辰巳 鋼太郎だ。
よろしくな司波、不知火。腕の立つ奴は大歓
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