第5章:幽世と魔導師
第148話「それぞれの尽力」
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……逢魔時退魔学園は……どこ……?」
「逢魔……なんだって?」
「……そう……」
少女の問いに男は答えられずに聞き返す。
だが、少女にとってはそれだけの問答で十分だったようで……。
「じゃあ、いいよ。後は自分で探すから」
「……ぇ……」
男の体が、斜めに両断された。
「な、なにを!?」
「………」
突然の事に、一緒に駆け寄っていた男達が驚愕する。
そして、一瞬見えた剣閃を最後に、その命が消えた。
「な、ぁ……!?」
「何をす……る……!?」
少し離れた所にいる者達が、そこでようやく気付く。
少女が放っている、“濃密な瘴気”に。
「お前は一体、なんなんだ!?」
「……」
恐怖しながらも問うた男を、一閃の下切り伏せる少女。
「くそっ!!」
もう一人の男が、アサルトライフルで撃つ。
銃を撃つ事に既に躊躇いはなかった。
彼の認識では、もう少女は人ではないと悟ったからだ。
キキキキキキン!
「は……?」
だが、その銃弾はあっさりと斬られる。
そのまま少女は前進し、銃ごと男は細きれにされる。
「な、なんだよあいつ……!」
一部始終を遠くから見ていた者が、戦々恐々しつつ呟く。
明らかに人が為せる業ではないと今ので理解したからだ。
「至急応援を呼んでくれ!人の姿をした化け物が現れやがった!!」
「くそっ、来るな!!来るなぁ!!」
そして、彼らはパニックに陥る。
阿鼻叫喚の惨状となり、少女に近づかれた者から一人、また一人と殺される。
―――……させないよ……!
「っ……!」
その時、四つの陣が空中に展開される。
それを見て、少女は飛び退いた。
「な、今度は何だ……!?」
「な、何か出てくるぞ!」
四つの陣から出てきたのは、四体の人ならざる者だった。
青い鮮やかな鱗を持つ龍。赤い羽根を持つ大きな鳥。兜のようなものを纏い、尾が蛇となっている巨大な亀。青く雷光を纏う鬣と白い体毛の大きな虎。
どれもが人の身では敵いそうにない存在だった。
「嘘……だろ……?」
「あんなの、相手にしろって言うのか……?」
ただでさえ少女相手に蹂躙されていた所に、四体の出現。
それだけで、人々は心を折られた。
そこへ、少女が斬りかかる。
「っ……!?……?」
接近を辛うじて認識した男は咄嗟に目を瞑る。
しかし、訪れるはずの“死”がない事に訝しみ、目を開けると……。
「え……?」
「グルルルゥ……!」
「ッ……!」
男の前に、
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