第5章:幽世と魔導師
第148話「それぞれの尽力」
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名前が分かっただけマシだと、聞いた者達は思うようにした。
「式姫……と言ったな。つまり、幽世の門や妖について知っているという事でいいか?」
「……交渉モードに戻ります。……はい。そうおっしゃるという事は、再び幽世の大門が開かれてしまったという認識で構いませんか?」
「は、話が早いな……。まぁ、そう言う事だ」
「分かりました。では」
幽世の門が開き、再び妖が現れるようになったと聞いた天探女は、そのまま去った。
「って、ちょっと!?」
「速っ!?まだ暗いから見失った!?」
驚きの連続だったため、つい呼び止めずに行かせてしまう。
「……あー、とりあえず、式姫がいたって事は報告しておくか……」
「この状況下で呼び止められなかったのは痛いぞ……」
溜め息を吐きながら、とりあえず報告するために通信をする局員。
退魔士たちも、残った局員から情報交換したり、撤退した自衛隊と合流したりなど、自分たちにできる事を遂行した。
―――……夜が、明ける……
「……………」
一つの人影が、真上へと昇る日に照らされながら駆ける。
向かう先は東京。かつて、“武蔵国”と呼ばれていた地域だ。
「……!」
人影の前に、何体かの妖が立ち塞がる。
それを見て一瞬人影は立ち止まる。……が、即座にまた駆ける。
「ガァアアッ!」
向かってくる人影に、妖は襲い掛かる。
しかし、そのまま人影に素通りされ……。
「――――――」
その妖の首が、落ちた。
「……ん、おい、あれ……」
東京。日本の首都であり、日本で最も人口が多い都市。
人口が多く、発展している事もあって、妖からの防衛は上手く行っていた。
都市の中心に一般人は避難し、そこを中心に警察や自衛隊が妖を防衛していた。
「あれは……」
妖から人々を守るのはもちろん、逃げてきた人を保護する事もしていた。
そして、その中の何人かが、近づいてくる人影に気づく。
「避難してきた人だ!周囲に化け物がいないか確認した後、保護しろ!」
その人影は少女だった。桃色の着物と赤色の袴と言う、現代において珍しい着物姿だったが、少女を見つけた者達は近づいて行った。
「………」
一方、少女は近づいてくる人達を前に足を止める。
「大丈夫か?他に誰かいたりは……」
「………どこ……」
「え……?」
言葉を掛けた男は、少女が呟いた言葉に首を傾げる。
同時に、“何かがおかしい”と、男は思った。
「
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