第5章:幽世と魔導師
第148話「それぞれの尽力」
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「っ、避けろ!!」
「ッ!!くっ……!!」
その直後、別の局員が術を放った退魔士へと声を荒げて叫ぶ。
自身に迫りくる攻撃に気づいた退魔士は、避けようと地面を蹴ったが……。
「ッ―――!?」
一瞬、間に合わず、振り下ろされた尾によって潰されてしまう。
目の前で命が散ったのを見て、その局員は硬直してしまう。
「っ……バッカ……!止まってんじゃねぇ!!」
「っぁ!?す、すまん……!」
先ほど砲撃魔法を放った局員が、その局員を突っ込む形で抱える。
寸前の所で龍神の噛みつきを回避する事に成功する。
「人が死んじまう事で動揺するのは分かるが、今は立ち止まるな……!」
「あ、ああ……。悪い、ただでさえ劣勢なのに」
「分かればいい。……くそっ、砲撃魔法が直撃してびくともしねぇ。反応してくるって事は効いちゃいるんだろうが……」
悪態をつく局員の上空を、魔力弾が飛ぶ。
その魔力弾は龍神の目を狙っており、上手く命中する。
「……目を狙うか」
「そうだな……って……!?」
命中した際、僅かに龍神は怯む。
それを見た局員二人は、そこを狙うべきだと察する。
……が、その直後に……。
「………くそっ!」
骨の砕ける音と共に、血の雨が降った。
反撃してきた龍神に、魔力弾を放った局員は噛み砕かれてしまったのだ。
「倒しきる前に、こっちが全滅しちまう……!」
「どうすれば……!」
今まで運が良かっただけに過ぎないが、ついに退魔士だけでなく管理局員にも死人が出てしまった。その事に、ますます劣勢に陥る。
……すると、その時。
「膨大な霊力を感知。封印、緊急解除します」
「……え…?」
抑揚のない少女の声が戦場に響いた。
「戦闘モード起動。……排除します」
そして、桃色の一陣の風が、地上にいた退魔士と局員の間を抜けていった。
―――“斧技・瞬歩”
―――“斧技・鬼神”
そのまま瞬時に龍神との間合いを詰め、胴体を駆けあがる。
「はっ!」
―――“斧技・夜叉四連”
直後、手に持つ大きな斧で怒涛の四連撃を繰り出した。
堅い鱗を持つはずの龍神の胴に、四つの斬撃跡が刻まれる。
「ガァアアアアアアアアアッ!!?」
「は、早い……」
「な、何者なんだ、あれは……」
辛うじて、それが人型の存在だと分かっている退魔士と局員が呟く。
その呟きで互いに知らない存在だと分かり、余計に何者なのかと混乱した。
「これで終わりです」
―――“斧技・雷槌撃”
さらに胴を蹴り、頭まで移動した“少女”は、霊力を斧に纏わ
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