第5章:幽世と魔導師
第148話「それぞれの尽力」
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え。それに、ここでただ休む訳にはいかないわ。……古い資料が集めてある部屋に入る許可を取りに行かないと……」
「古い資料……?お嬢様、何を……」
「式姫と妖……おそらく、この家にはそれらの資料が残されているはずよ……。それらがあれば、今起きている事態を解決できる糸口が見つかるかもしれない」
「なるほど……」
召使の言葉にそう答え、澄紀は実家へと向かった。
「(式姫について、私は大して詳しくない。……いえ、それどころか薄っすらと知っていただけ。知った原因は……お父様からの教えと、以前見た古い文献。なら……)」
父にも式姫について知る情報源があったはずと考え、資料を漁るために許可を取りに向かった。
ガラッ!
「っ、けほっ、けほっ。埃塗れね……」
結論から言えば、あっさりと許可は出た。緊急時故、仕方ないともいえるが。
そして、そのまま土御門の歴史が記された書物のある部屋へと澄紀は入った。
「(以前見た文献によれば、式姫は江戸時代に存在していた……なら、その時代を中心に……)」
その時代の書物を手に取り、高速で読み解いていく澄紀。
元々、彼女のポテンシャルは高い。
それこそ、時代が時代であれば、相当腕の立つ陰陽師になれただろう。
それだけじゃない。まさに文武両道と言える程、彼女は優等生だった。
尤も、その分プライドが高くなってしまっていたが。
「(式姫……幽世の大門……これね……!)」
そして、ついに今起きている事態と一致する資料を見つけた。
澄紀はそれを中心に、次々と書物を調べていった。
「ォオオオオオオオオオオン!!」
信濃地方の信濃川周辺にて、大きな咆哮が上がる。
咆哮の主は信濃龍神。その名の通り、信濃川を力の源とした龍神だ。
「っ……!撃て!撃て!!」
そんな龍神に対し、ヘリや地上から銃火器による攻撃が撃ち込まれる。
しかし、まるでびくともしない。銃弾に至っては鱗で弾かれていた。
「くそ……!まるで効いていない!」
「こんなの、ありかよ……!」
まるで効いていない様子を見て、戦っていた自衛隊の面々は戦慄する。
「……任せるしか、ないのか……?」
「けど、彼らは正体不明の集団なんですよ!そんなのに任せるなんて……!」
「馬鹿野郎!だからって俺達が頑張った所で、無駄な犠牲を出すだけだ!」
戦っているのは、自衛隊だけではない。
既に管理局員と現地の退魔士がおり、何とか邪魔をしないように戦っていた。
「……正直言って、悪いですが……私達にも、あれの対処は難しいです」
「こっちも同意
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