第四十四話 琵琶湖その十四
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「遊郭にいても出ているな、酒に馳走もだ」
「遊郭で楽しんできて」
「今はそれも終わってだ」
夜に楽しんでというのだ。
「おそらく朝寝も済んでな」
「その次ですね」
「風呂だ」
それに行っているというのだ。
「朝ね、朝酒にだ」
「朝風呂ですね」
「遊郭で楽しんで少し寝てだ」
これが朝寝だった、英雄も遊郭に入ってみてこの朝寝朝酒というものがわかったということだろうか。
「今はそれだ」
「朝風呂を楽しんでいる」
「湯でな、その湯に行こうか」
「そうしてですね」
「そいつと会おう」
その遊び人と、というのだ。
「そうしよう」
「それではでありますな」
「今から湯に行くぞ」
「そしてわし等もでありますな」
「湯に入る」
こう峰夫に答えた。
「そうするぞ」
「丁度いいであります、実は」
「昨日飲んだせいでか」
「頭が痛いであります」
酒のせいであることは言うまでもない、見れば峰夫だけでなく遊郭に行った面々は誰もがそうなっていた。
「ですからここは」
「風呂に入りだな」
「二日酔いを解消したいであります」
「わかっている、それも兼ねてだ」
「これからでありますな」
「風呂に入りだ」
そうしてというのだ。
「そいつとも会おう」
「さすれば」
「問題はどの湯かだ」
温泉街といっても湯は多い、それこそ至る場所に風呂がある。そしてそのどの風呂にいるかというのである。
「そいつがいるのはな」
「何でも派手な外見らしいので」
また良太が言ってきた。
「すぐにわかるでしょう」
「目立つ奴なら風呂に入ってもな」
「何処に入ったかわかる人がいますので」
名前や顔ではなくその派手な服装でだ。
「ですから」
「それでだな」
「今から聞きましょう」
その者が入った風呂をとだ、そしてその風呂はすぐにわかった。それで英雄は仲間達に対して言ったのだった。
「では今からその風呂にな」
「入りそして」
「そのうえで、ですね」
「そいつと会おう」
こう話してだ、仲間達と共にその風呂に向かった。新たに仲間になるかも知れないその者と会う為に。
第四十四話 完
2017・12・1
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