九つの星
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しかし、ティオスはそれを難なく受け止め、彼を投げ飛ばす。
「グッ!!」
「おい!!大丈夫か!?」
「いきなり動くな、俺たちは仲間だろ」
一人では難しくても三人でなら・・・今まで幾度となく修羅場を乗り越えてきたからこそ、彼らには自信がある。
「見せてやろうぜ、三大竜の力を」
「行くぞ、グラシアン」
「あぁ」
やる気満々の三人。しかし、ティオスはそれを見て笑ってしまった。まるで滑稽なものを見るような、憐れみの視線を向けていたのだ。
「意志が合わない三大竜・・・もう、俺が知ってる君たちではないな」
どこか残念そうな雰囲気を醸し出したティオス。彼は何を見てそんなことを言っているのか、スティングたちにはわからなかった。
「アイスメイク・・・限界突破!!一勢乱舞!!」
無数の造形を一瞬のうちに作り出し、一斉にそれを天海へと向かわせる。レオンとバトルしながらも自分に向かってきていることに気が付いた天海はあっさりと下がって回避した。
「氷刃・白鳥の翼!!」
無数の翼を模した氷が襲い掛かる。グレイの攻撃を回避するために後ろに下がっていた天海は反応できないかと思われたが、彼はそれを何事もなく払い除け、一度距離を取っていた氷の神へと向かっていく。
「あいつ・・・俺たちに興味ないのかよ」
「まるで割って入っていける気がしない・・・」
レオンとの戦いにばかり夢中でグレイたちには目もくれない。青年たちの攻撃を、戦場での流れ弾を避けている程度としか、彼は考えていないのかもしれない。
「もうレオンごと吹き飛ばしてみますか?」
「やめろ!!」
「どうせどっちにも避けられる。意味がない」
一か八かの賭けに出ようとしたシリルだったが、それを青年たちに止められてしまう。なかなか突破口が見えないでいると、さらにそこに増援がやって来た。
「グレイ!!シリル!!」
「エルザ!!」
「カグラ!!」
「ジェラールさんもいる!?」
魔女の罪が合流していたことを知らなかったシリルはジェラールが目の前にいることに驚いていた。遠目にはカミューニとメルディも戦っており、安堵しているのか、笑みが見えている。
「あの男のスピード・・・只者ではないな」
「レオンと互角・・・いや、それ以上だ」
シリルの目ですら捉えることが困難な速度で動けるレオンをさらに押している天海のスピード。もしこれに割って入ろうとすれば、瞬く間にやられてしまうのは言うまでもない。
「スピードか・・・なら・・・」
カグラとリオンの話を聞いていたジェラールの体が浮き上がる。魔力に包み込まれた彼は呼吸を整える。
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