ペルソナ3
1986話
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そういう対象がしっかりと決まっている可能性もある。いわゆる、婚約者って奴だな。
……もっとも、親馬鹿気味の武治の性格を考えると、その辺の……それこそ桐条グループの財力や権力、影響力なんてものを目当てにしたいような奴は、とてもではないが美鶴との婚約を武治に認めさせるような真似は出来ないだろうが。
「う……その、そう言われてみれば、もしかしてデート……なのか? 正直、その、そういうつもりは全くなかった……とは言わないが……その……」
ここまでテンパってる美鶴ってのも、珍しいな。
荒垣を心配するあまり、気が張っている状態を少しは解消出来たか?
荒垣が入った部屋の中からは、時々荒垣の呻き声……いや、雄叫びと表現した方がいいか? ともあれ、そんな声は聞こえてくるが、医者や看護師の悲鳴の類は聞こえてこない。
つまり、ペルソナが召喚されるような事はない……んだろう。
勿論、このままずっとペルソナが召喚されないとも限らない以上、それを警戒する必要はあるのだが。
ただ、そうなると美鶴が気を張っている状態が続くのは、色々と不味い。
短期間ならともかく、長期間となると集中力が続かない可能性がある。
そんな訳で、現在俺は美鶴の気分転換も兼ねて話している訳だ。
「そう言えば、他の連中には荒垣の事を伝えたのか? 特に真田なんかは荒垣を心配していると思うが」
「ん? ……ああ。S.E.E.Sの者達と、岳羽には先程私がこちらの病院に残った時に連絡をしておいた。コロマルは……無理だったが」
「だろうな」
基本的に長鳴神社の境内で暮らしているコロマルだけに、連絡を取るような真似をするのは難しい。
影時間になれば、俺のアパートの前まで自分からやってくるんだが。
「コロマルの件は置いておくとして、恐らくゆかりと真田の2人……もしかしたら他の面々もこの病院にやって来るかもしれないな。そうなると、そっちにも説明をする必要がある訳だが……」
「その辺は私が説明しよう」
「頼む」
こういう説明に関しては、俺よりも美鶴の口から出た方が色々と説得力はあるだろう。
「それに、理事長も可能な限り早く来ると言っていたから、そちらにも期待出来るだろうな」
そう告げる美鶴の様子からは、幾月が自分を裏切っている可能性があるなどとは全く思っていないのは間違いない。
武治辺りに、後でその辺を話す必要があるのではないか? と言っておいた方がいいような気もする。
もっとも、武治には武治で色々と考えがあって話をしていないのだろうが。
「理事長は研究者としても高い能力を持っている。荒垣が、何が原因であのような状態になったのか、調べる事も可能だろう」
「そうか? そういうのは、どうせなら医者の方が詳しいと思うけど」
「
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