ペルソナ3
1986話
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ペルソナを召喚しようものなら、それを押さえる者が必要になる」
普通なら考えられない事だが、荒垣の場合はペルソナの潜在能力が高すぎて暴走するという前例があるしな。
そうなると、今がどのような状況なのかは分からないが、いざという時の為に備える必要があった。
「がああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
そうして、再び聞こえてきた荒垣の叫び。
病院の中に入ってからの叫びだったが、その叫びが病院に来た者達の耳にも当然ながら入り、周囲の注目を集めていた。
「アクセル!」
「分かっている」
美鶴の言葉に短く言葉を返し、荒垣のいる方に向かって進む。
そこでは、担架の上で無意識にだろう。暴れている荒垣の姿があった。
「落ち着いて下さい! ここは病院です! 落ち着いて!」
看護師が荒垣に向かって声を掛けているが、そもそも荒垣は意識を失っている状態だ。そんな状態で声を掛けられたところで、それに反応するかと言われれば……難しいだろう。
勿論、人は極限状態の中だったり、眠っている状況で誰かに声を掛けられて、それに気が付く……といった事は、時々聞く。
だが、それを今の荒垣に当て嵌めるのは、明確に無理がある筈だった。
俺と美鶴は担架の上で暴れている荒垣の側までやってくると、その身体を押さえつける。
「落ち着け! 暴れるな! ここは危ない場所じゃない!」
看護師に対してあんな風に思っていながら、荒垣にそう声を掛ける。
……ああ、なるほど。荒垣に声を掛けて、出来ればこっちの態度に反応して欲しいという思いもあるのだろうが、同時に周囲にいる者達に対して、パニックにならないようにしているという一面もあるのか。
勿論、それを正直に口にするような真似はしないが。
ともあれ、そんな状況の荒垣を運びながら、俺達は病院の奥、治療する為の部屋に向かい……
「すいません、お嬢様。ここまででお願いします」
医者の1人が、美鶴に向かってそう告げてくる。
そんな医者の言葉に、美鶴は少し考えてから頷く。
「分かった。だが、もし荒垣がペルソナを召喚しようとしたら、すぐに私とアクセルを呼ぶように。戦闘訓練を受けた者ならともかく、普通の医者がペルソナに……それも暴走したペルソナを相手にするというのは、半ば自殺行為だからな」
「分かりました! その時はすぐに呼ばせて貰います!」
医者はそう言い、荒垣を運んでいく。
……今の会話から考えると、あの医者はペルソナについて知ってるのか。
いやまぁ、この辰巳記念病院は桐条グループの資本で運営されている病院だ。
そうである以上、当然影時間についても詳しい事を知っている者がいてもおかしくはないのだろう。
「取り
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