第九十四話 お料理会 後編
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入れて飲むという非常に甘くクソ不味い御茶である。しかもラインハルトのカップには人工甘味料が仕込まれた角砂糖が入れてあったのである。
流石修行を積んでいるカロリーネは普通飲んでいる。
何故かヒルダも平気で飲んでいる、流石シャマルクッキングの猛者である。
カロリーネは、リンディ茶をキルヒアイス不在の隙を突いて、ラインハルトに勧めたのである。
苛ついていたラインハルトは、カロリーネが普通に飲んでいるのでグイッとリンディ茶を飲むと、その何とも言えない不味さとド甘な味に思わず吹き出した!
「ブファーーーーーーーーーーーーーー」
その吹き出した物は目の前に居たカロリーネに直撃し顔とドレスを御茶で緑に染めてしまっ。いきなりのリバースに騒がしくなる会場。
咽せるラインハルトと慌てるキルヒアイスと驚くアンネローゼの三者三様が見られ、
アンネローゼとキルヒアイスが駆け寄り、
アンネローゼがカロリーネの顔をハンカチで拭き、
ラインハルトがカロリーネに謝罪している。
「申し訳ない、大変な失礼をしてしまいました」
ラインハルトはこの変な飲み物を勧めた女ではあるが、
顔とドレスを汚した事については真摯に反省していた。
カロリーネは、緑色になった顔で一言。
「シェーンヴァルト卿、構いませんわよ。いつか埋め合わせをして頂きますわね」
そう言ったあと、陛下とテレーゼ達に一時退席することを話してから。
女官に連れられて、着替えと身だしなみに出て行った。
ラインハルトは姉に怒られることになった。
「ラインハルト、お行儀が悪いですよ」
「姉上済みません。余りにも不味かったので」
そこへヒルダが一言言ってきた。
「シェーンヴァルト卿、美味しいですわよ」
ラインハルトはこの女はどう言う味覚をしているんだと感じたのである。
「ともかく宴を台無しにしたのですから、謝罪なさい」
そこへ皇帝が一言。
「アンネローゼよ、よいよい今日は無礼講じゃ、きにすることはないぞ」
「陛下」
ラインハルトは皇帝の言葉にまた馬鹿にされた気がしてむくれるのである。
それを見ているアンネローゼとキルヒアイスはやれやれと思うのであった。
その後、カロリーネも復帰し夕方まで宴は続いたが、
終始ラインハルトの機嫌と胃のもたれが悪かったのである。
逆に皇帝やテレーゼと参加した者達の絆が深まり。
その家族との間の絆も深まったのである。
リッテンハイム侯の腰巾着のヘルクスハイマー伯爵を除いてだが。
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