巻ノ百二十七 戦のはじまりその四
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真田丸に戻ってだ、家臣達に言った。
「間もなく戦になる」
「ではですな」
「我等もですな」
「戦にかかり」
「そうしてですな」
「敵を倒す」
「そうするのですな」
家臣達も幸村に言う。
「そしてそのうえで」
「殿もですな」
「戦いに勝つ」
「そのことを目指しますな」
「そうじゃ、そしてな」
ここで十勇士達に言った。
「お主達には特にじゃ」
「はい、城の外に出てですな」
「そしてそのうえで」
「敵を煽りこの真田丸を攻めさせる」
「その様にしますな」
「その通りじゃ」
まさにという返事だった。
「だからじゃ」
「はい、我等にですな」
「敵に真田丸を攻めさせる様にする」
「そうしますな」
「そしてそのうえで、ですな」
「徹底的に破る」
「そうしますな」
「お主達は敵を乱してな」
そしてというのだ。
「その後は真田丸においてじゃ」
「我等はですな」
「今度は戦う」
「そしてそのうえで敵を散々に破る」
「そうもせよというのですな」
「そうじゃ、よいな」
十勇士達にこうも言うのだった。
「この度は」
「はい、わかり申した」
「それではです」
「この度の二つの大任引き受けましたぞ」
「喜んで」
「頼むぞ、そしてお主達にはな」
さらに言う幸村だった。
「もう一つ命じることがある」
「生きよ」
「ここでは絶対に死ぬな」
「そうせよというのですな」
「我等全員に」
「そうじゃ」
その通りという返事だった。
「それもよいな」
「はい、ではです」
「何があろうともです」
「生きて帰ってきます」
「真田丸に多くの兵を引き寄せて」
「そのうえで」
十勇士達は幸村に口々に誓った。
「そして様だ丸の戦で思う存分暴れます」
「その時も生きまする」
「殿と死ぬ時死ぬ場所は同じですから」
「だからこそ」
「そうせよ、我等は死ぬ時と場所は同じと誓った」
義兄弟としてだ、幸村と十勇士達は主従であると共に義兄弟同士でありまた互いに友である間柄なのだ。
だからだ、幸村もこう言うのだ。
「ならばじゃ、よいな」
「はい、生きまする」
「例え何があろうとも」
「そしてですな」
「この度の戦でも」
「生き残る」
「そうじゃ、おそらく我等の戦はここで終わらぬ」
今からはじまる戦でというのだ。
「次、そしてそのまた次もな」
「ありますか」
「だからここでは死なず」
「皆生き残り」
「戦い続けますか」
「そして次の戦でも次の次の戦でもじゃ」
そちらの戦でもというのだ。
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