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ドリトル先生と奈良の三山
第九幕その十
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「大阪だってね」
「やっぱり少し行くと山だしね」
「とにかく山が多くて」
「山を見ない場所って凄く少ないわ」
「しかも山には絶対に緑がある」
「そうした場所よね」
「そう、僅かな平野のところにね」
 そうした場所にというのです。
「人が住んで村や町を築いていったんだ」
「それで平野に人が集中して住んでいるのね」
「山には殆どいなくて」
「田んぼとかもあって」
「そうなってるのね」
「山の方に住んでいる人達は」
 そうした人達も日本に確かにいます。
「平家の落人や最初から住んでいた人達に。それに」
「それに?」
「それにっていうと」
「山の民っていうね」
 ここで先生は皆がかつて先生が調べている人達のことをお話しました。
「そうした人達もいたんだ」
「その人達のこともお話したね」
「そうだったね」
「日本にはそうした人達もいてね」
「今もいるって」
「うん、まだいることは間違いないよ」
 その山の民と呼ばれる人達がです。
「ただ、何処に住んでいるかは」
「そのことはなのね」
「わかっていない」
「そうなの」
「わかっていても言ったら駄目ってことになっているんだ」
 このことは禁じられているというのです。
「残念だけれどね、けれどね」
「そうした人達が山にいて」
「今もいる」
「そのことは事実なのね」
「山にも人が住んでいるのね」
「そうだよ、古事記や日本書紀にもね」
 こちらにもというのです。
「そうした人達がいたことを伺わせる記述がかなりあるしね」
「あれっ、そうなの」
「古事記や日本書紀にもなの」
「山の人達が出て来るの」
「そうだったの」
「そうなんだ、後で鬼とか土蜘蛛とか呼ばれる」
 どちらも妖怪の名前です。
「朝廷と戦った所謂まつろわぬ人達がね」
「そうだったの」
「山にいた人達だったの」
「そう言われているんだ、日本はかつてはね」
 昔の日本はというのです。
「平野と山に分かれていたんだ、海の民と呼ばれる人達っもいたし」
「その人達はあれよね」
「漁師さん達ね」
「そちらの人達だよね」
「うん、日本は基本的に農業社会だね」
 先生はこのこともお話しました。
「そうだね」
「うん、お米があってね」
「まずはそこからっていう国よね」
「御飯っていうとお米のだし」
「主食はお米ね」
「何でもお米からっていう国ね」
「これはね」
 まさにというのです。
「農業が軸であることに他ならなくて」
「山の人達や海の人達は違っていて」
「山の幸や海の幸で暮らしていた」
「そうだったのね」
「海の人達は比較的同化していったけれどね」
 農業社会の中にです。
「どうもあの人達も平野に住んでいたし」
「海岸ね」
「そこにいてね
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