第101話 九尾
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それにあの月は邪魔だな」
そう言うと黒マダラは掌の輪廻眼から黒い雷のようなモノが真っすぐ雲を突き破って進み出して、月に当たると左右にブレるような動きを始めて公転の周回軌道から外れて、微妙な均衡を保っていた月が少しずつ地球の重力によって加速しながら学園都市へと落下を始めた。
「あわわ……ど、どうすれば」
戦いの次元で言えば婚后の能力では歯が立たないのが骨身に分かり切っており、婚后は月を見上げて怯えるように風向きの変わりようを敏感に感じ取った。
「風が泣いていますわ」
サソリはボロボロになったマダラの人形を翻して背中から大量の刀を取り出して威嚇するように全ての刀を黒マダラに向けた。
「貴様!何をした!?」
「ククク……なに、月の軌道を変えてここに落とすだけだが?落下まであと三時間ってとこになるな」
「な……に!?」
サソリは先ほどよりも見かけの大きさが変わった月を見上げて苦悶の表情を浮かべた。垣根が翼を振り上げて攻撃をするが黒マダラは正方形の黒い紙のような分子体となり一瞬で場所をサソリ達の隣へ移動した。
「サソリ……お前は焦る必要はないだろ……お前は辺獄……つまりあの世にいる。この世界がどうなろうとお前に影響はない……また大事なものが目の前で壊れる様でも楽しむんだな」
「き、貴様!!!」
「まあ、この世界でいうところの科学の発展には犠牲がつきものということになるな」
サソリは指を半回転させて中指を手前に引っ張る動作をするとマダラ人形の眼部分が閉じて中で歯車が回転すると眼球が90度回転し『万華鏡写輪眼』から最後の瞳術である『輪廻眼』を開眼させた。
黒マダラはニヤリと笑うと印を結んで影から九尾の狐を呼び出して、その頭部に陣取って狐が威嚇のための慟哭のような叫びをあげた。
「婚后!月が落ちている事を御坂達に伝えてくれ。居ても邪魔になる」
「は、はい……分かりましたわ」
婚后は腰が引けながらも口を真横に結んでよろけながら路地裏の道を通じてそう遠くない御坂達の場所へと走りだした。まだ大通り近くにいるはずだ。
婚后を見送るとサソリは隣で六本の翼をもった垣根を一瞥した。
「垣根だったか……四の五言ってられんな。ここか共闘といくぞ」
「足を引っ張ったら殺すぜ」
「こっちのセリフだ」
黒い九尾とマダラを相手にツーマンセルを組む事になったサソリと垣根。そして黒マダラの計略により学園都市崩壊が三時間後と迫る中。サソリや御坂達はこの危機を打破できるのだろうか。
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