第101話 九尾
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定内かもしれない。
「シライクロコダネ……良イ名ダ」
人形は意識的にチャクラの流れを変えて白井にチャクラを流し込んだ。
流れ込んでくるのはこの人形が考えている思考の連続、膨大な情報により自然と口が動きだして自身の口から付いて出る言葉を白井自身が他人事のように聴いているような形となる。独り言に自ら関心するように相槌をうつような感じに近い。
「成功したようですわね……申し訳ありませんわ」
操り人形のように白井が棒立ちのままこの場に居る皆に謝罪した。無理やりなのか少しだけ猫背で腹部に力が入っているかのようにくぐもった声であるながらも白井そのままの口調で言う。
長い間、布団の下に落ちていた玩具を発見して動かしてみるがどこか壊れているような不気味のある声だった。
「改めて言いますわ……サソリの父ですわ……しばらく白井さんの口をお借りしまして皆さまにお願いがありますの」
「白井さん?」
「……」
初春が白井の風紀委員の腕章を握りしめながら心配そうに見上げた。このまま白井が何処かへ消えてしまいそうな感じがして怖くなってしまったからだ。
「それなら大丈夫ですわ……言ってくださいな」
一瞬だけ宿った普段通りの白井の瞳の力強さに初春は少しだけであるが力を抜いた。
白井は今にも消え入りそうな男性の声を保護するように大切に前に出した。ここで白井の身体を奪って暴れた所で畜生道や地獄道からの追撃から逃れる術はないし、何より今見せたようにいつでも白井が主導権を握ることが可能であった。鎖による拘束もなく丁重に扱われていた。
再び瞳が虚ろになり、白井は地に頭を擦って土下座をした。躊躇はなく流れるように正座をしてからの土下座に一同はその行動の意味をくみ取れずにフリーズした。
「……息子を……サソリを助けてほしいのですわ」
「「「?!?」」」
首だけを真正面に上げて更に続ける。みんなの理解が追い付かないのは承知の上での行動であり、頼み方だった。
「用意はこちらで用意してありますわ」
そう言い放ったのと同時に畜生道のピアスが反応して戦闘をしていた天道たちから連絡が入った。
耳を抑える動作をして視点をズラす。
……終わった?
……ええ、無事よ
!?白ゼツを捕えた……分かったわ
通話が終わったのかピアスから手を放すと何か腑に落ちないように考え事をして頭を低くしている白井に憑依した人形を見据えた。
「ちょっと良いかしら?用意って何かしら?」
「……印を教えますわ……親は子の為だったら何でもしますのよ」
手をグーパーと開閉させて人形の男性は後ろで不気味にほほ笑んだ。輪廻眼を介した情報共有で地獄道は笑みをこぼした。
「ふふふ、なるほど……畜生道。口寄せで呼びましょう」
「えっ?!どど、どういう事ですか?」
人間道と初春だけが理解して
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