第32話 トラブルメーカー
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たちから話を聞いて回った。
途中でナイアルさんとドロシーさんに出会ったがどうやら廃坑についての情報をエステルさん達に話したのはナイアルさんらしい。彼が聞いた目撃情報によると犯人は西口方面に走っていったようだ。
「じゃあ他の家にも行って話を……」
「おい」
「……ん?」
俺たちの前にリベール王国の軍人が現れた、ハーケン門に所属している軍人のようだ。
「えっと、あたしたちに何か用かしら?」
「ふん、お前らがこの辺りをウロチョロと嗅ぎまわっていると話があってな。少し忠告しておいてやろうと思ったんだ」
「忠告?」
「遊撃士風情が我々の調べている付近を荒らすのはやめてもらおうか」
「あ、あんですってー!?」
どうやらこの兵士は俺たちが空賊事件について調べ回っているのが気に入らないらしい。
「なんだ?その態度は?市長の頼みで釈放しただけでお前たちの疑いが晴れたわけじゃないんだぞ、それとももう一回牢屋に入れられたいのか?」
「うぐぐ……」
さてどうしようか、あまり大きな争いにはしたくないし……
「何をしている?」
するとそこに軍服を着た金髪の男性と紫のかかった赤髪の女性が現れた。
「こ、これは大佐殿!?」
大佐?この人はリベール王国軍の大佐なのか?また随分と若いな、でもその立ち振る舞いには隙が見当たらない……かなりの実力者だ。
「栄えある王国軍の軍人が善良な一般市民を脅すとは……まったく、恥を知りたまえ」
「で、ですがこいつらはただの民間人ではございません!ギルドの遊撃士どもです!」
「ほう、そうだったのか……だったら猶更だろう。軍とギルドは協力関係にある、対立を煽ってどうするのだ?」
「し、しかし自分は将軍閣下の意を組みまして……」
「やれやれ……モルガン将軍にも困ったものだ。ここは私が引き受けよう、君は部下を連れて撤収したまえ」
「し、しかし……」
「もう十分に調査しただろう?将軍閣下には後で私の方から執り成しておく。それでも文句があるのかな?」
「りょ、了解しました……」
軍人はそう言うと自身の部下を連れて去っていった。
「さて、と……」
金髪の男性は俺たちの方に向きかえり話しかけてきた。
「遊撃士協会の諸君。軍の人間が失礼な事をしたね、謝罪をさせてもらうよ」
彼はそう言うと俺たちに頭を下げる、彼のこの行動にシェラザードさんも驚いていた。
「これは、どうもご丁寧に……こちらも気にしてませんしどうか顔をお上げください」
「そう言ってもらえると助かるよ……先ほども言ったように軍とギルドは協力関係にある、互いにかけている部分を補い合うべき関係だと思うのだ。
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