ペルソナ3
1985話
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る以上、今のような状況になるとは到底考えられないのだが……
「ちっ、何をどうするにしても、取りあえずちょっとこのままここにいるのは面倒だ。一端移動するぞ」
先程の荒垣の叫び声を聞いて、誰かがやって来ないとも限らないし、警察やら救急車やらを呼ばれても厄介だ。
「あ、ああ。だが、どこに移動する?」
先程の叫び声を上げたのとは打って変わって静かになった荒垣の様子を見ながら、美鶴が呟く。
そんな美鶴の言葉に少し考え……以前ゆかりやコロマルと共にピクニックに行った草原を思い出す。
ここからそれ程離れていない場所だし、人も多分……まぁ、いないと思う。
心配なのは、今が夏休みだという事だ。
それこそ、以前の俺達みたいにピクニックに来ている奴がいても不思議ではない。
もっとも、そうなったらそうなったで、また違う場所に転移すればいいだけなのだが。
「以前俺とゆかりとコロマルが一緒にピクニックに行った草原でいいだろう。もっとも、今の季節はそこにピクニックやキャンプにやって来てる奴もいるかもしれないから、そうなったらまた別の場所に移動する事になるが」
基本的にキャンプというのは、キャンプ場じゃない場所でやる事も珍しくない……と言えば、都会で育った奴は驚いたりするが、それは間違いのない事実だ。
いや、だからってその辺の公園とか、ましてや駐車場とかでキャンプをするのは問題外の話だが。
ともあれ、あれだけの草原だ。ピクニックどころか、キャンプをやっている奴がいてもおかしくはない。
そうなったら別の場所に行くと宣言し、美鶴が頷くよりも前に影のゲートを展開する。
「ちょっ、おい、アクセル!?」
美鶴の驚く声が聞こえてくるが、それは無視し……次の瞬間には、俺達は見覚えのある草原に姿を現していた。
素早く周囲を見回すが、俺達以外に誰の姿も見えない。
……こっちとしては嬉しいけど、まさか誰の姿もないとは思わなかったな。
ピクニックやキャンプをするには、かなりいい場所なんだけど。
まぁ、それはともかく……
「美鶴、荒垣の様子は!?」
「っ!? ……駄目だ、まだ目を覚ます様子がない。ただ、さっきみたいに苦しがっている様子は見られない」
その事だけは安心出来る、か。
もっとも、だからといって荒垣の状況が改善した訳ではない。
騒がれては色々と不味い事になるからこの草原に連れて来たってのに、何だってこの草原に来てからは大人しくなってるのやら。
ただ、騒がないからといって、荒垣の病状……病状? いや、病気じゃないんだし、ただの状態って表現した方がいいのか?
ともあれ、荒垣の状態がどうにかなった訳ではない。
である以上、ここではどれだけ騒がれても問題はないが、根本的な問題
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